エアバス社「A320neo」ファミリー用エンジン「GTF Advantage」の型式承認を取得

2025年04月02日

川崎重工は、(一財)日本航空機エンジン協会(以下JAEC)、プラット・アンド・ホイットニー社(アメリカ、以下P&W)、MTU Aero Engines AG(ドイツ、以下MTU)3社によるエアバス社「A320neo」ファミリー用エンジン「PW1100G-JM」エンジンの共同開発事業に、JAEC構成メンバーとして参画していますが、2025227日、米国連邦航空局(FAA)から、その改良型エンジンである「GTF Advantage」の型式承認が交付され、民間航空エンジンとしての運用が正式に認められました。

GTF Advantage」は、P&WJAECおよびMTUが設立した合弁会社International Aero Engines LLC(以下IAE)が主体となり、20141219日に型式証明を取得した「PW1100G-JM」エンジンの改良型として開発が進められました。当社は従来の「PW1100G-JM」に引き続き、低圧圧縮機の主要部品などの開発・設計・製造およびエンジン整備を行います。「GTF Advantage」は、当社が担当している低圧圧縮機を再設計し、圧縮機流量を増加させた結果、「PW1100G-JM」エンジンと比べて離陸推力が大きく向上しています。これにより、「A320neo」ファミリーの積載量の増加や航続距離の延長が可能となるほか、さらなる燃費の改善や排気ガスの低減が可能となります。また、寿命制限部品の全面的再設計、ならびにガス経路全体の技術向上によって、エンジンの耐久性と寿命についても改善が図られています。

GTF Advantage」が搭載される「A320neo」ファミリーは、最大の需要がある約200席クラスの民間旅客機で、すでに多くの確定発注を受けています。「GTF Advantage」の量産初号機の納入は2025年後半を予定しています。

今後とも当社は、エンジン開発技術力の高度化、生産基盤の強化を進め、航空機用エンジン事業の発展に注力していきます。

(関連リンク)

エアバス社「A320neo」に搭載される民間航空エンジン「PW1100G-JM」の型式承認を取得(20141222日付)

https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20141222_1.html