フィリピンの精油所向けに蒸気タービン発電設備2基を納入

2023年03月31日

川崎重工は、フィリピンの石油化学会社Petron Corporation(以下、Petron社)のバターン精油所(フィリピン ルソン島)発電設備建設プロジェクト向けに蒸気タービン発電設備2基を納入し、工場内で使用する電力・蒸気供給のための自家発電設備として、2022年9月より運転を開始しました。

本プロジェクトは、台湾の台朔重工(Formosa Heavy Industries Corporation)がPetron社から受注したもので、当社は主要機器である22.2MW級の抽気背圧式※1、2蒸気タービン発電設備(2基)を神戸工場(兵庫県神戸市)で製造し、現地での据付指導と試運転指導を担当しました。

本設備は、2011年から2013年にかけて当社が同精油所に納入した4基の35MW級の抽気復水式※3蒸気タービン発電設備(1号~4号)と連携して運転しています。当社がこれまで納入した6基の蒸気タービン発電設備は順調に電力・蒸気供給を続けており、製油所の安定操業と熱効率の向上による省エネルギー化に貢献しています。

当社は、1956年に発電用蒸気タービンの生産を開始して以来、国内外の電力会社をはじめとする発電事業者やバイオマス発電所、製鉄会社や石油化学会社などの自家発電設備向け、ごみ焼却発電プラント向けなど、多種多様な用途向けに製品を納入した実績があります。今後も製品技術力のさらなる向上とプラントエンジニアリング力の強化に積極的に取り組み、多様な市場ニーズに的確に応えながら、エネルギーの安定供給と環境負荷の低減、低炭素・脱炭素社会の実現へ貢献していきます。

  1. ※1抽気とは、蒸気タービンの中間段落からプロセスに適した圧力の蒸気を取り出すこと。
  2. ※2背圧式とは、蒸気タービンの排気(蒸気)をプロセスで再利用する方式。
    一般的には、蒸気需要の多いお客様の蒸気タービン発電設備で採用される。
  3. ※3復水式とは、蒸気タービンの排気(蒸気)を復水器で冷却(凝縮)することで蒸気タービンの出力を高める方式。一般的には、電力需要の多いお客様の蒸気タービン発電設備で採用される。

【参考リンク】
蒸気タービンについて https://www.khi.co.jp/energy/steam_turbines/