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2023.12.05 「水素混焼」大型貫流ボイラを新発売
川重冷熱工業株式会社
「水素混焼」大型貫流ボイラを新発売
川重冷熱工業は、高圧・大容量の大型貫流ボイラ「Ifrit(イフリート)」シリーズに、水素混焼仕様を加え、2023年12月より発売します。
本製品は、当社が培ってきた副生水素※1を燃料とする水管ボイラおよび炉筒煙管ボイラでの水素混焼技術と、「Ifrit(イフリート)」シリーズの特長である高圧かつ大容量で安定した蒸気供給を可能にしたノウハウを組み合わせ、水素ガスとLNG(液化天然ガス)の混焼モードと2つの燃料を個々に燃焼する専焼モードを切り替えることができる3モード燃焼(水素専焼・水素/LNG混焼・LNG専焼)のバーナを搭載し、混焼時は水素を熱量比0~30%までの任意の割合で利用可能な大型貫流ボイラ「Ifrit(イフリート)」を開発しました。 脱炭素を志向するユーザーの導入機運の高まりを受けて、本製品では燃料別の燃焼モード切替を実現することと同時に水素専焼仕様もラインナップし、水素の導入初期段階から普及後までを見据えた、水素供給体制の進捗に合わせたカーボンニュートラルへの備えを提供します。また利用にあたりボイラー技士免許は不要で、ボイラー取扱い技能講習修了者による取扱いが可能です。 川崎重工グループは、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、水素エネルギーの普及・拡大に取り組んでいます。当社は今後も、水素関連製品の技術革新とラインナップ拡充に積極的に取り組み、多様な市場ニーズに的確に応えながら、環境負荷の低減、低炭素・脱炭素社会の実現へ貢献していきます。 本製品の特長および仕様は次のとおりです。 1.特長 ①安全・環境・省エネ性能 ・燃焼開始前、燃焼停止後に水素配管内部を窒素に置き換えるパージシステムを搭載。 ・ケーシング内に漏れ出た水素をいち早くキャッチし、安全にボイラを停止する水素漏洩検知器を搭 載。 ・定格ボイラ効率98%(蒸気圧力0.49MPa、給水温度15℃、給気温度35℃)を実現。 ・燃焼と給水に独自のPID(比例・積分・微分)制御搭載により、ボイラ効率を高く維 持。 ・押込送風機と給水ポンプは、インバータ連続制御により消費電力を低減。 ・NOx※2排出量は、省エネ法の空気比基準※3において、150ppm(O2=5%換算)以下を実現。 ②利便性 ・大型貫流ボイラであり、小型の貫流ボイラと比べ設置台数を減らせ運用管理負担を軽減。 ・高圧蒸気にも幅広く対応が可能。(最高使用圧力:0.98~3.2MPaの範囲で対応可能) ・水素の保有量に応じて、水素消費量を任意に調整する事が可能。また、水素不足時にはLNG専焼運 用が可能。 ・ボイラー取扱技能講習修了者が取扱い可能。(ボイラー技士免許不要。) ③高い蒸気品質 ・連続燃焼PID制御および連続給水PID制御の採用により、燃焼段階切替えによる圧力変動・給水時 の缶内温度変化による圧力変動を低減。(±0.005MPa※4) ・気水分離器水位を連続給水PID制御とすることで水位安定化を図り、気水分離器の旋回機能と あわせて、蒸気の高乾き度(99.8%※4)を達成。 2.仕様表
※1:石油化学プラントや苛性ソーダの生産工程などで発生する水素。
※2:窒素酸化物のこと。物が高温で燃えたときに空気中の窒素と酸素が結びついて発生する酸化物であり、光化学スモッグや酸性雨の原因物質のひとつ。大気汚染防止法や地方自治体の条例により排出量が制限されている。(上記NOx値は、大気汚染防止法の基準値内)
※3: 省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)では「工場におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準」にボイラの空気比基準が定められている。
※4:蒸気負荷静定時の性能を示す。
■製品に関するお問い合わせ先 川重冷熱工業株式会社 東京本社 営業・サービス総括室 営業・サービス企画部 Tel: 03-3645-8251 Email: sspd@kte-corp.co.jp
■川重冷熱工業の概要 (1)本店所在地 滋賀県草津市青地町1000番地 (2)代表者 代表取締役社長 森 宏之 (3) 設立年月 1972年3月 (4) 資本金 14億6,050万円 (5) 事業内容 ボイラ・空調機器・ヒートポンプなどの製造、販売、据付、アフター サービスなど (6) 従業員数 536名(2023年3月末現在)