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精密機械カンパニー

 
肥田 一雄
精密機械カンパニー
プレジデント

モーションコントロール分野でのトップブランドを目指す

「モーションコントロール」という分野は、社会にどう寄与するものですか?
 精密機器・ロボットの両方に共通して、社会・環境への貢献が3点あると考えています。
  1. 或るものを、操作者の意志通りに、早く・正確に・無駄なく動かすこと。これによってお客様の機械(ショベル、製造ラインなど)を優れたものにし、お客様とカンパニーがともにビジネスを持続させ社会とともに生きていくことができます。
  2. 省エネと環境貢献。例えばショベルであれば油圧ポンプはエンジンの動力を全て油圧パワーに変えるもので、機械全体の効率を担っています。無駄なく効率的に動くということ自体が省エネ性に優れているということであり、またすなわちCO2の排出が少ないということです。今年、省エネ性がさらに3%向上したシリーズを出しました。これまで世界でショベルが最も売れたのは2011年の28万台で、うち18万台に当社製のポンプがついています。シェア64%でした。今、世界のショベルが200万台稼動しているとしますと、その半数の100万台程度に当社製ポンプがついていると言っても良いと思います。例えばこれをすべて3%省エネ性が高い新型ポンプに置き換えたとすると、CO2排出量にして年間300万t-CO2の削減になります。
  3. 新興国のインフラの形成。例えば、当社の油圧機器の入った中国製のショベルがインド等のインフラ整備で活躍しています。また、ロボットは各国の自動車ラインで使われ、自動車を安く製造することに寄与しますが、これによって新興国でも多くの人が車に乗ることができるようになります。
 油圧機器は最終製品ではないために社会的な寄与が間接的にしか認識されにくく、従業員でも説明されて初めて気がつくという面もありますので、もっと説明していく必要があるかもしれません。
精密機械カンパニーは世界各国で事業展開しており、肥田プレジデントご自身も海外経験が長いですが、その中で感じたこと、今後のマネジメントに活かそうとしていることを教えてください。
 世界各地に拠点があるなかで、それぞれの国の文化や価値観は同じではありませんが、従業員の会社へのロイヤリティとものづくりへの想いは統一したいと思います。長く勤める従業員が「カワサキで働いてきてよかった」と思えるような経営をしていきたいと考えています。
 そのためには、日本の考え方ややり方が唯一無二のものだと勘違いしてしまうのがいちばんダメなことで、まず文化が異なるということへの理解が大事です。また、日本人同士では往々にして抜けがちですが、「何のために」という目的や理屈の説明を徹底してマネジメントすることも必要です。
 働き方の違いという点に関してですが、米国では夕方5時で帰るために朝から段取りをして効率よく働き、より多くの仕事をする従業員をたくさん見てきました。これに対して日本では、長く会社にいることが目的や価値であるかのような仕事の仕方が風土化し、効率を阻害している面があります。日本のこの風土を変えるには、上司階層に海外勤務を経験させて意識を変えてもらうといったことをしないといけません。日本の会社で、米国人のトップを招聘することにより風土が変わっていった例を見たこともあります。
 とはいえ、夜遅くまで悩みながら仕事をしている設計技術者も本当によくやってくれているのです。彼らのような存在と、育児の途中にぱっとアイディアが閃く時短勤務の技術者の両方がいるという、「多様性のマネジメント」こそが重要だと思います。
プレジデントの次の課題を聞かせて下さい。
 油圧事業とロボット事業の一体化を進めていきます。両者を分けて限定的に考えるのではなく、一体的にお客様のニーズを満たすことでモーションコントロール分野のトップブランドになっていきます。また、油圧と電気を組み合わせたハイブリッド製品の創出、燃料電池乗用車用の水素ガスバルブの開発により、更なる省エネと環境貢献を目指します。
 ロボット事業では、モーションコントロールを超えて「知能化」を果たし、今まで自動化が進んでいない分野への適用開発を推進し、医療ロボット分野にも参入していきます。
 足元では、中国市場の景気変動への対応も課題です。各国工場での生産を確保するため、市場の回復を待つだけではなく、モバイル分野向けの開発を急いでいます。

(インタビュー:2014年9月実施)


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