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6.自然共生社会の実現

自然共生社会の実現に向けて

 現代社会は、大気・水・土壌環境における物質循環や再生産など、自然からの様々な生態系サービスを受けることで維持されています。川崎重工は、地球環境に調和した製品とものづくりで、環境負荷を下げ、生態系の保全に貢献することを推進しています。そのため、生産活動での化学物質削減を進めて環境改善や生態系保全を推進するとともに、身近な地域の環境保全活動にも協力しています。

化学物質の削減

 製品を製造する過程等で利用する化学物質は、人の健康や生態系に有害な影響をおよぼす場合もあるため、適切な管理を行い、使用量の削減を目指しています。当社は、主要VOC(トルエン、キシレン、エチルベンゼン)とジクロロメタン、および有害重金属(鉛化合物、六価クロム化合物)について、事業部門ごとの目標を設定し使用量・排出量の削減を実施しています。
 達成に向けた活動は、塗装や金属加工処理の効率化を進めること、塗料や化学物質の代替を実施することが中心になります。
 2016年度は主要VOCは削減目標を達成しました。ジクロロメタンは増加し、有害重金属は削減しましたが目標には届きませんでした。
 今後も適正な化学物質管理を行うとともに使用量・排出量の削減を目指します。
 また、PRTR法(環境物質管理促進法)に基づき、事業所ごとに化学物質を適切に把握し、国へ届け出ています。

管理対象化学物質の排出量・取扱量

管理対象化学物質の排出量・取扱量

  • 注1)主要VOC原単位は、排出量を売上高で除した値です。
    注2)重金属類は、鉛化合物と六価クロム化合物の取扱量を合計した数値を示しています。
       削減活動は、それぞれの物質ごとに取り組んでいます。

PRTR法対象物質の排出量・取扱量

排出量・取扱量

  • ※PRTR法: 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律

ELV指令*1、RoHS指令*2、REACH規則*3などの海外の法規制への対応

 2000年以降、EUにおいては、ELV指令、RoHS指令、REACH規則などにより化学物質に対する法規制が強化されてきました。ELV指令については対象外の二輪車において、モーターサイクル&エンジンカンパニーは当指令と同等の規制内容である(一社)日本自動車工業会の自主取り組みとして対応中であり、精密機械カンパニーも一部の製品について対応しています。 RoHS指令の対象は電気・電子機器類で、当社では、ロボットビジネスセンターを含む精密機械カンパニーが一部の製品について対応しています。REACH規則は、2007年6月から実施され、EUにおいて製造・輸入されるすべての化学物質に適用されます。年間1t以上の化学物質を製造・輸入する事業者は化学物質の登録が必要になります。当社の製品は、主に成形品であり登録の必要なものは限られますが、意図的に放出される物質および発ガン性を有するなどの高懸念物質についてはすべて登録や届出の必要があります。登録・届出以外にも、評価・認可・制限・情報伝達についての規制があり、サプライチェーン全体で自社の製品に含まれる化学物質の情報を把握するシステムが必要になります。
 また、EUに限らず世界各国において化学物質の規制強化の動きが広がっています。国ごとに要求事項(対象物質、対象製品など)が異なるため、法令をよく理解した上で対応を進めていくことが必要と考えています。
 当社では、 「CSR調達ガイドライン」を策定し、お客様からの化学物資の情報把握に関する要請に対応しています。また、モーターサイクル&エンジンカンパニーでは、データベース化に取り組み、「カワサキ環境負荷物質データ収集システム(KMDSⅡ)*4」を構築し、REACH規則はもちろん、必要なその他の物質規制への対応体制を整備しています。

モーターサイクル&エンジンカンパニーにおけるREACH対応

モーターサイクル&エンジンカンパニーにおけるREACH対応

*1 ELV指令:廃自動車に関するEU指令(リサイクル/重金属使用制限等)
*2 RoHS指令:電気・電子機器に対する有害物質使用制限に関するEU指令
*3 REACH規則:化学物質の登録・評価・認可・制限に関するEU規則
*4 KMDSⅡ:Kawasaki Material Data System Ⅱ
  現在、IMDS(International Material Data System:欧米日韓26社の完成車メーカーが加盟している
  自動車業界向け材料データシステム)に移行中

モーターサイクル&エンジンカンパニーにおける取り組み

排出ガスのクリーン化

 2016年度は、世界レベルでの二輪車の排出ガスのクリーン化の取り組みを行ったモデル、Z900の販売を欧州で開始しました。
 クラストップレベルの出力を確保するとともに、優れた燃費性能と低排ガスレベルを両立させ、世界最高レベルの環境性能を達成しています。COやNOxなどの排出ガスエミッションを低レベルに抑えることで欧州排ガス規制「EUROⅣ」に対応しているだけでなく、欧州新騒音規制「R41-04」にも対応しており、高い環境性能に取り組んでいます。

Z900(海外向けモデル)

Z900(海外向けモデル)

3Rの推進

 二輪車国内メーカー4社、輸入事業者12社が2004年10月から共同で運用している自主取り組みの「二輪車リサイクルシステム」において、2016年度の実績は、リサイクル率97.5%に達しています。なお、2011年10月から、廃棄時のリサイクル費用のお客様負担を、完全無料化しました。
 また、新型二輪車では開発段階からリデュース・リサイクルなどの環境配慮設計に取り組み、設計/試作/量産の各段階の前で3Rへの取り組みの事前評価を行っています。特に、リサイクルしやすい材料の採用などによりリサイクル性の向上に努め、(一社)日本自動車工業会(以下、自工会)が公表している「新型車のリサイクル可能率の定義と算出方法のガイドライン(1998年自工会)」に基づき算出したリサイクル可能率は、全機種90%以上を達成し、大半の機種は95%以上を達成しています。

環境負荷物質の廃止・削減

 国内販売の新型二輪車は、既に自工会が定めた自主削減目標を達成して販売していましたが、その他の継続販売している二輪車でも自主削減の目標を達成しました。なお、国内販売の新型二輪車の環境負荷物質(鉛、水銀、六価クロム、カドミウム)の廃止・削減状況は、当社Webサイトの「車種別環境情報」で公表しています。
 汎用エンジン・ジェットスキーなどには自工会の自主削減目標のような重金属の国内規制はありませんが、二輪車に準じて廃止・削減に取り組み、鉛、水銀、カドミウムの目標は2007年度までに達成しました。さらに、ごく一部の部品で残っていた六価クロムについても、2008年度に廃止を完了しました。

 車種別環境情報

水の省資源化

 当社は、水資源を有効に利用するため、原単位による削減目標を設定しています。2016年度は、工場の漏水対策を進めた一方、タンクの水圧試験等により使用量が増加したため、原単位は前年比2.3%増となりました。

水の使用量と原単位

水使用量と原単位

  • 注) 水原単位は、水使用量を売上高で除した値です。

森林保全活動

 兵庫県と高知県の2か所で森林保全活動に取り組みました。
 兵庫県では2008年12月から県の「企業の森づくり」事業に参加。多可町の「川崎重工 西谷なごみの森」と名付けた里山林で森林保全活動を開始しました。2014年からは同じ多可町内で活動地を変更し、「川崎重工 余暇村公園なごみの森」に名前を変え、取り組みを継続しています。
 2008年から開始したこの森林保全活動に参加した従業員やその家族は、延べ約1,700名にのぼり、アカマツやコナラ、ヤマザクラなど今までで45種類、約2,600本の木を植樹しました。
 また高知県では、森林の再生に取り組む高知県「協働の森づくり事業」に参画。2007年から仁淀川町で活動しています。毎年、新入社員が間伐などの森林保全活動を行うとともに地域の方々との交流を深めています。

植樹活動実績

植樹活動実績

 

2016年度活動実績

活動地 兵庫県多可町 高知県仁淀川町
活動内容 除伐・間伐・植樹
自然観察会・木工細工教室
間伐・環境学習
参加者 従業員と家族他協力者
(275名)
従業員他協力者
(69名)
活動実績 面積:1.0ha
CO2吸収量:2.20t/CO2
植樹:317本
面積:0.3ha
CO2吸収量:16.5t/CO2
活動回数 3回/年 1回/年

生物多様性の取り組み

 生物多様性の観点から、企業の森づくり活動のほかにも、事業活動拠点における事業所周辺の清掃活動や構内緑化など地域と協働した活動を推進しました。
 2016年度は、新たな取り組みとして、兵庫県神戸市西区にある遊休地で水生生物の生息調査を行いました。その結果、モツゴの他、重要種としてドジョウやミナミメダカ、シマヒレヨシノボリなど5種の魚類の生息を観測しました。これらの種は、当地において既に再生産(繁殖)の状態にあると考えています。
 このため池は、ブルーギル等の特定外来種がいない状態であることから、地域の生態系に沿った希少な魚類の生息環境として機能していることを確認しました。今後底生動物や植物の調査を実施し、当地における生物多様性の実態を把握する予定です。こうした取り組みを通じて、地域社会における環境調和の在り方を考えていきます。

調査したため池

調査したため池

投網による調査の様子

投網による調査の様子

発見された代表的な生物

発見された代表的な生物

 

重要種選定基準への該当状況

種名 環境省レッドリスト 兵庫県レッドデータブック
ドジョウ
ミナミメダカ
シマヒレヨシノボリ

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