独自開発のガス化技術による木質バイオマスのガス化設備を納入

2007年04月25日

 

  川崎重工は、木質バイオマスのガス化設備を、独立行政法人産業技術総合研究所中国センター(広島県呉市)に納入しました。本設備は、独自開発のガス化技術により木質バイオマスをガス化して合成ガスを製造するもので、当社としては3基目のガス化設備となります。

今回当社が納入した設備は、木質バイオマスから液体燃料を製造する研究開発用に導入され、木質チップ40kgから低位発熱量が1,300kcal/Nm3の可燃性ガスを1時間に60Nm3製造する能力があります。本設備は、燃料供給装置およびガス化炉、ガス精製・冷却装置、余剰ガス焼却設備から構成されており、木質チップから作られた可燃性ガスは、不純物が取り除かれ、室温まで冷やされたのち、液体燃料の製造原料として使われます。また、実験で不要となった可燃性ガスを安全に焼却処分するための設備もあわせて納入しました。

当社が開発したガス化技術は、独自の固定床ダウンドラフト型ガス化炉を採用しており、起動時間が30分以内と短く、ガス中のタール濃度が低いという特長があります。当社はすでに、積水ハウス株式会社浅井工場(滋賀県長浜市)に、1時間あたりの可燃性ガス製造量450Nm3のガス化炉と発電出力175kWのガスエンジン発電機を納入し、長期間にわたる運転を続けています。当社はまた、明石工場内に1時間あたりの可燃性ガス製造量180Nm3、発電出力70kWの実証プラントを有していることから、1時間あたりの可燃性ガス製造量で60Nm3、180Nm3、450Nm3のラインアップが揃うことになり、顧客のニーズにきめ細かく対応できるようになります。
なお、当社は本ガス化設備および発電システムを、2007NEW環境展(5月22日~25日、東京ビックサイト)に出展します。

今後とも当社は、バイオマスのみならず、あらゆる再生可能エネルギーの導入・普及を図るため、新製品の開発を進めていきます。