ペットボトルケミカルリサイクルプラント向け溶融重合設備を納入

2004年04月20日

川崎重工は、株式会社ペットリバースが川崎市内に建設したペットボトルのケミカルリサイクル工場向けに溶融重合設備を納入しました。

同リサイクル工場は、使用済みペットボトルを化学分解しPET樹脂に再生するケミカルリサイクルを実現するプラントで、従来のペットボトルをシート、カーペットなどに使用されるフレーク状の樹脂に再生するマテリアルリサイクルとは異なりペットボトル(ボトルtoボトル)への完全な再生を可能にしています。

同工場は、回収したペットボトルを粉砕、異物除去、洗浄を経て、化学的に分解(解重合)し、PET樹脂の中間原料である高純度のBHETに精製した後、PET樹脂に再生する「重合」と呼ばれる工程から構成され、今回当社が納入したのは、このうちの重合設備一式です。なお、このペットボトルのケミカルリサイクル工程は、ペットリバースの親会社である株式会社アイエスが開発した「アイエス法」を用いたもので、原料ナフサから製造する場合と全く同じ特性のPET樹脂を製造することが可能です。

現在国内では59社が72施設でペットボトルのリサイクル事業を行っており、そのうち2社がケミカルリサイクルプラントを保有しています。今回のプラントはその1つであり、経済産業省のエコタウン推進事業の一環として、同省と川崎市から助成金を受けた設備です。

1997年4月に「容器包装リサイクル法」が施行されて以来、ペットボトルや紙類、ビニール類、プラスチック類などの廃棄物に関するリサイクル事業が注目されており、今後もさらに事業化が進む見込みです。

当社は、各種プラントを手がけてきたノウハウを結集した重合設備を中心とするケミカルリサイクル設備技術に加え、プラスチック類やビニール類のサーマルリサイクルを実現するRPF製造プラントにも豊富な実績を有しています。今後も当社は、資源循環型社会実現に寄与するプラントの積極的な事業展開を図ります。

※1 BHET:ビス-β-ヒドロキシエチル-テレフタレート
※2 重合:同種類の分子を結合してさらに大きな分子にすること