台湾の液化エチレン貯蔵・払出設備一式をフルターンキーで受注

2002年03月26日

川崎重工は、中国石油公司の前鎮石化製品基地(台湾 高雄市)向けに液化エチレンタンクを含む貯蔵・払出設備一式をフルターンキーで受注しました。本設備の完成は2004年3月の予定です。なお、今回の契約は、当社が1970年に建設した既設のLPGタンクを撤去した後、新たに本設備を建設するもので、既設設備の撤去も工事範囲となっています。

今回受注した設備は、-100℃以下の液化エチレンを貯蔵するため、極低温用材を用いた内槽殻と常温材を用いた外槽殻の間に断熱材を用いた地上式2重殻構造の液化エチレンタンク(タンク容量15,000t)を採用しています。また、本設備は液化エチレンタンクの他に、液化エチレンの荷役設備やエチレン気化器、自然気化したガスを再液化しタンクに戻す再液化装置など関連設備一式を含みます。

中国石油公司は、これまで台湾高雄地域の液化エチレン市場をほぼ独占してきましたが、近年他の有力化学会社の新規参入が増えており、競争が激しくなっています。今回の液化エチレン貯蔵設備一式の建設は、中国石油公司が同地域における競争力強化を目指し、設備増強を図るものです。

当社は、エチレン貯蔵設備では、1977年に韓国の湖南エチレン(株)向けに液化エチレンタンク2基を納入して以来、合計18基のタンク納入実績を持ちます。また、石油ショック以降、LPGやLNGなどのガス燃料の運搬・貯蔵が増加するという予測のもと、早くから低温・極低温タンクの開発に取組み、1981年には、わが国初の世界最大級のLNG運搬船を建造するとともに、1982年には地下式、1983年には地上式のLNGタンクを初受注し、これまでに20基以上の建設実績を持ちます。

当社は、今後も低温・極低温タンクを中心とする各種貯蔵設備の総合エンジニアリング事業を国内外で積極的に展開していきます。