日本海事協会から船舶自動定点保持システム「KICS®※1」 オペレーター向け教育訓練プログラム認証を取得

2023年05月23日

川崎重工は、船舶の自動定点保持システム(DPS※2)操船者向け教育訓練プログラムを開発し、一般財団法人日本海事協会(以下、日本海事協会)から認証を取得しました。

認定証授与式の様子
認定証授与式の様子
KICSシミュレータ
KICSシミュレータ

自動定点保持システム搭載船は、洋上風力発電をはじめとする海洋の再生可能エネルギーによる発電事業向けなど、精度の高い工事を必要とする海洋工事において、その重要性が増しています。今回、認証を取得したのは、自社開発のKICS®オペレーターを対象とした教育訓練プログラムで、座学とシミュレータによる陸上訓練と実船による海上訓練により構成されています。本プログラムの修了者には、日本海事協会と当社の連名による証書が発行されます。本プログラムは、KICS®オペレーターに対して日本語による体系的な教育・訓練を提供することを通じて、日本国内の海洋工事プロジェクトの安全性や信頼性の向上に寄与します。

KICS®は、自己昇降式作業台船(SEP船※3)やケーブル敷設船などの特殊作業船向けDPSシリーズに加え、フェリーやRORO船※4など複数の推進機を有する船向けにジョイスティック操船用シリーズを販売しており、これまでにシリーズ合計で100隻を超える納入実績を有しています。

当社は舶用推進システムインテグレーターとして、船種毎に最適な推進システムパッケージの供給を通して、今後も安全安心な海のモビリティの実現を目指します。

  1. ※1KICS® とはKawasaki Integrated Control Systemの略で、可変ピッチプロペラ、旋回式スラスタ、サイドスラスタ、舵など、複数の操船要素を総括して操縦することができるシステム。
    (参考:https://www.khi.co.jp/mobility/marine/machinery/kics.html
  2. ※2DPS(Dynamic Positioning System)とは、GPS等のセンサで船体状態を検出し、潮流/風/波などの外力に対しても船体を所定の位置に保持するように推進装置や舵を自動的に制御するシステムのこと。
  3. ※3SEP(Self-Elevating Platform)船は、台船と昇降用脚を持ち、昇降用脚で台船を海面上に上昇させてクレーン作業等を行う台船。洋上風車設置作業等に使用される。
  4. ※4RORO(Roll-On/Roll-OFF)船は、フェリーのようにランプを備え、車両などを収納する車両甲板を持つ貨物船。