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アルミ合金製新幹線車両製造工程

アルミ合金製車両開発の歴史

鉄道車両の車体に用いられる材料は木材から始まりましたが、やがて火災や衝突などに対する安全性を高めるため、普通 鋼材が用いられるようになりました。しかし、普通鋼材は長期間使用すると腐食が進むため、あらかじめ腐食代を持たせて厚めの板を用いる必要があり、また腐食が進んだものは改修しなければなりません。

一方で鉄道車両は輸送力の増強や経済性の面から軽量化が求められており、腐食代を持たせて厚みを増すことは時代の流れに逆行します。そこで、腐食のない素材を用いて車体を製作することが考えられ、アルミ合金製車両が開発されました。
鉄の三分の一の比重で鉄と同等の強度を持つアルミ合金は、航空機では主流として使用されており車体材料としてもふさわしく思われますが、実際にはなかなか普及しませず、外板のみをアルミ板としたものや小型のケーブルカー、ロープウェイのゴンドラなどに使われた程度でした。その理由は高価であることと、高度な加工技術が必要なためがあげられます。
試験的な鉄道車両はすでに戦前にも見られ、戦後の資材不足の折には、当社でも余剰になった航空機用ジュラルミン材料を使用してモハ63形電車を製造した経緯があります。

量産されたアルミ合金製の実用車両は、昭和27年(1952年)のロンドン地下鉄車両が最初です。またスイスやドイツではアルミ合金製車両の研究がとくに盛んで、実用車両も相次いで誕生しました。
アルミ合金製車両の最大のメリットは、車体の構造物が鋼製の二分の一の質量でできることです。これによって車両全体で10~15%の軽量化を実現でき、アルミ合金を使用することによるコスト上昇以上に動力費を節減できます。

当社ではいち早くこれらのメリットに着目し、ドイツのWMD社と技術提携を結びました。技術者を派遣して設計・製造技術を習得し、昭和37年(1962年)にはわが国初のオールアルミ合金製車両として山陽電気鉄道2000形2012、2013、2505号車を完成させました。

山陽電気鉄道2000形オールアルミ合金製車両

山陽電気鉄道2000形オールアルミ合金製車両

アルミ合金製車両については、製造コストを下げるため、合理的な構造とすることや製法について種々の工夫がされています。たとえば鋼製車両では板を加工して部材を作りますが、アルミ合金製車両では部材を組み合わせた複雑な形状を一体型として押し出し、部品点数の削減と加工の省力化を進めています。

当社ではアルミ合金製車両の製造に取り組む前からアルミ合金製タンク車などで実績を積んでおり、そこで培った加工・溶接技術などの下地がアルミ合金製車両製造に十分に生かされることになりました。

その後、アルミ合金製車両は、アルミ材料メーカーと共同研究による大型押し出し形材の開発や、製造技術の発達により、通勤車両や地下鉄車両をはじめ、特急電車や新幹線車両でも軽量化の面で大きな期待を担って採用されています。

このコーナーで製造工程を紹介するアルミ合金製新幹線車両はJR東海とJR西日本で現在運用されている700系新幹線車両をモデルとしまた。
700系新幹線車両の先頭車は大きく分けて先頭構体・台枠・側(左右)・屋根・妻と6つの構体で成り立っています。アルミ合金製車両のメリットとして、長寿命・軽量化・メンテナンスフリーがあげられます。

700系新幹線車両の先頭構体含む製造工程は次のようになります。

国内におけるすべてのアルミ合金製車両は、昭和37年(1962年)に最初の車両が製作されて以来、これまでに1万両以上も製造されています。また、製造技術の発達でイニシャルコストを考慮した大型の押し出し形材が開発され、製造の簡素化と効率化を図っています。特に700系新幹線車両ではダブルスキン構造の大型押し出し形材が使用され、防音効果も兼ねそなえています。

700系新幹線車両構体のダブルスキン構造

700系新幹線車両構体のダブルスキン構造

700系新幹線車両屋根構体部分のダブルスキン構造

700系新幹線車両屋根構体部分のダブルスキン構造

アルミ合金製新幹線車両製造の各製作工程を画像で紹介します。


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