双日と川崎重工、ロシア極東地域コージェネレーション化プロジェクトに契約調印

2010年11月11日

 双日株式会社と川崎重工業株式会社は、ロシア政府系企業の極東燃料・エネルギーコンプレックス発展戦略研究センター(本社:ウラジオストク市、The Far Eastern Center for Strategic Research on Fuel and Energy Complex Development/以下:FEC)との間で、ロシア極東地域におけるコージェネレーション(熱電併給)化プロジェクトを共同で推進することに合意し、11月12日に開催の第4回日露投資フォーラムにて第一期計画実施の枠組み契約およびパイロットプラント向けコージェネレーション設備の納入契約に調印します。

 ロシア極東地域のコージェネレーション化プロジェクトは、ロシア政府が推進しているエネルギー効率の改善と環境対策の一環で、2012年に開通が予定されているサハリンからハバロフスクを経由してウラジオストクまでを結ぶ全長約1,800kmのパイプライン沿いの市町村に、高効率のコージェネレーション設備を導入するものです。ロシア極東地域では、多くの老朽化した石炭焚きボイラーが稼動していますが、高効率のコージェネレーション設備に置き換えて電力と温水を供給することにより、エネルギーの有効利用と大幅なCO2削減を実現できます。

 パイロットプラントは、ハバロフスク州のツィンマーマノフカとホールに建設する計画で、FECの関連会社であるEIG社(本社:ウラジオストク市、Eastern Industrial Group Company Limited) 向けに5基のガスタービン発電設備および付帯設備を納入します。ツィンマーマノフカでは1,500kWのコージェネレーション設備2系列が2011年末に稼働を開始し、ホールでは7,000kWのコージェネレーション設備3系列が2013年から稼動する予定です。

 パイロットプラントに続く第一期計画は、2012年から2014年までに、合計30基のガスタービン発電設備および付帯設備を納入する予定で、受注金額は約200億円になる見込みです。ガスタービン発電設備の納入は川崎重工、付帯設備の調達は双日が担当します。

 第一期計画の実施にあたり、FECと双日、川崎重工の3社は、ハバロフスク州の市町村を対象にコージェネレーション設備設置の候補地を選定し、省エネ効果や採算性の検証など設備導入効果を測る事業化調査を進めていきます。

 コージェネレーション化プロジェクトは、燃料の節減により電力・熱エネルギー料金を大幅に下げることができるため、人口流出が続くロシア極東地域への産業誘致を行うというロシアの極東プロジェクトとして、期待が寄せられています。双日と川崎重工は第二期以降の計画にも継続的に取り組んでいきます。

 双日と川崎重工は、2012年にウラジオストクで開催されるAPECサミット会場であるルースキー島向けのコージェネレーション設備を7基連続受注しており、この実績も評価され、このたびのプロジェクトへの参加が決定しました。川崎重工の中・小型ガスタービン発電設備は世界でもトップクラスのシェアを誇っており、総合エネルギー効率が非常に高く、エネルギーコストの改善に大きく寄与することから、今後、同地域での需要拡大が期待されています。

 ロシアは世界最大の天然ガス産出国であり、天然ガスを燃料とする高効率・低環境負荷のコージェネレーション設備の需要が拡大しています。双日と川崎重工は、今後もロシアのプロジェクトに注力していきます。