中型タンカー向け「LNG二元燃料システム」を新開発

~本システム採用タンカーがロイド船級協会から設計基本承認を取得~

2019年12月25日

川崎重工は、中型タンカー向けに液化天然ガス(LNG)を燃料とする「LNG二元燃料システム」を開発し、本システムを採用した住友重機械マリンエンジニアリング株式会社(以下、住友重機械マリン)製中型オイルタンカーがロイド船級協会(Lloyd's Register)から設計基本承認(AiPApproval in Principle)を取得しました。当社が開発した「LNG二元燃料システム」を当社グループの建造船以外に組み合わせてAiPを取得したのは、本件が初めてです。

国際海事機関(IMO)による各種排ガス規制強化が進む中、LNGなどのクリーンな燃料の利用が徐々に普及しています。このような背景から当社は、自社グループの建造船向けに「LNG二元燃料システム」に関する様々なAiPを取得済です。

今回AiPを取得した住友重機械マリンの中型オイルタンカーは、LNG燃料タンクの搭載場所などを工夫し、カーゴタンク容積を減らすことなく二元燃料(LNGと重油)の補給・使用を可能としています。当社は、LNG燃料を使用する場合に適合が求められるIGFコードおよび船級規則に基づき、LNG燃料供給システム、LNG燃料タンクおよびLNG燃料を使用する上で必要な安全対策などの技術検討を実施し、住友重機械マリンのAiP取得をこれまでの実績をもとにサポートしました。

当社は、長年のLNG運搬船の建造で培った技術力をベースに、2016年に引き渡した世界初のLNG燃料推進の自動車運搬船や、新規開発したLNGバンカリング船、LNG燃料推進船などの開発で得た豊富なLNG関連の応用技術を有しています。これらを活かし、LNG燃料推進船に搭載されるLNG燃料供給システムやLNG燃料タンク、LNG関連の技術や知見を、当社グループの建造船への適用のみならず他社向けにも「LNG二元燃料システム」として供給することで、海運業界における各種排ガスの抑制に貢献していきます。

IGFコード(International Code of Safety For Ships Using Gases or Other low-flash point fuels):

LNG等の低引火点燃料を使用する船舶の安全に関する国際規制。20171月に発効されている。

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