ドイツ向けセメント排熱発電設備を受注(カワサキプラントシステムズ)

2010年07月09日

川崎重工グループのカワサキプラントシステムズは、ロホルドルファー建材グループ傘下の南バイエルンポルトランドセメント社のロホルドルフ工場向けに、本格的な設備としては欧州初となるセメント排熱発電設備を受注しました。本設備の発電出力は約6,800kWで、2012年春の稼動開始を予定しています。

本プロジェクトは、ドイツの重電メーカーであるシーメンス社とコンソーシアムでの契約となります。当社は、プラント全体のエンジニアリング、排熱回収ボイラの供給、客先供給機器の基本設計および工事・試運転の技術指導を担当します。シーメンス社は、当社のエンジニアリングに基づき、蒸気タービン、発電機、電気品および制御装置の供給を担当します。

今回受注したセメント排熱発電設備は、セメント製造の焼成工程において発生する排ガスの熱を排熱回収ボイラで回収し、蒸気タービンにより発電を行う設備です。本設備は、セメントプラントの排ガスを有効に活用し、プラント全体の電力消費量の約30%を賄うことができる省エネルギー設備であるとともに、年間約4万トンのCO2削減効果もあることから、日本国内の大型セメントプラントの大部分に設置されています。

当社は、1980年に国内向けに発電出力2,640kWのセメント排熱発電設備を納入して以来、原料予熱設備を備えた乾式セメントプラント向け排熱発電設備において、世界のリーディングカンパニーとして、これまで国内外合わせて約130件を超える納入実績を有しています。総発電規模は1,600MW以上に達し、年間1,100万トン以上のCO2削減に貢献しています。今回の受注は、これまでの実績に裏付けられた当社技術の信頼性や技術力が高く評価されたものです。

ドイツをはじめとするヨーロッパでは、EUの環境規制強化などにより省エネルギー・環境製品に対する関心が強く、今後もセメント排熱発電設備の需要が増加することが期待されます。本プロジェクトは、ドイツ環境省による環境改善技術プログラムの助成を受ける対象となっています。
また、本設備は経済性・環境効果が高いことから、中国を中心とするアジア地域でも普及しつつあります。

世界的に地球温暖化防止への関心が高まる中で、セメント排熱発電設備をはじめとする省エネルギー・環境負荷低減製品に対する需要は、先進国・発展途上国の垣根なく増大していくものと思われます。当社は今回の受注を足がかりに、環境保全に貢献する製品の開発・販売を積極的に展開していきます。