東京都に磁気浮上式高速電動機直結単段ターボブロワ 「川崎MAGターボ」を納入

2010年05月31日


川崎重工は、東京都芝浦水再生センターに、自社開発製品である磁気浮上式高速電動機直結単段ターボブロワ「川崎MAGターボ」を4台納入しました。

今回当社が納入した「川崎MAGターボ」は、水処理施設において、微生物の働きで汚水を再生する生物反応槽へ空気を供給する送風機として用いられる装置です。
東京都芝浦水再生センターでは、3つ(本系・西系・東系)の水処理系列に対して、従来は大型送風機を共用して同じ圧力で送風する曝気システムを採用していましたが、「川崎MAGターボ」の導入により東系を独立し、さらに個別の生物反応槽毎に適正圧力で送風する効率の良い曝気システムの再構築が図られました。

「川崎MAGターボ」の特長は、インバータ制御式高速電動機のローターに羽根車を直接取り付けた構造と、磁力によりローターを浮上させる磁気軸受を採用していることにあります。ローターが軸受と機械的に接触することなく高速回転することから、高効率・省エネルギーを実現でき、CO2排出量を抑制することが可能となります。さらに、インバータによる回転速度制御とインレットベーン制御の組合せによる広い制御範囲と高い部分負荷効率の両立、コンパクトなパッケージ化、潤滑油・冷却水不要など従来の下水曝気用ブロワにはない新たな機能が高く評価され、年々受注実績を伸ばしています。

東京都は、下水道事業での温室効果ガス削減に向けた「アースプラン2010」や先進的な環境都市の実現を目指す「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」を策定しています。今回の「川崎MAGターボ」による送風機再構築は、送風機から散気装置まで曝気システム全体での省エネルギー型再構築手法の先駆けとして、今後の事業効果が期待されています。

東京都のみならず全国各自治体の下水処理施設においても老朽化施設改築更新プロジェクトが増えつつあり、下水処理施設における電力消費量の約40%を占める下水曝気用ブロワに対する高効率化・省エネルギー化のニーズは年々高まっています。当社はこれらのニーズに応えるため、「川崎MAGターボ」を供給するとともに、省エネルギー化に貢献する製品の開発・販売に取り組んでいきます。