LNG運搬船「LNG JUPITER」の引き渡し

2009年07月01日

 

 

川崎造船は、7月1日にLloyds TSB Equipment Leasing (No.7) Limited (ロイズ ティーエスビー イクイップメント リーシング ナンバーセブン リミテッド)向けLNG運搬船「LNG JUPITER(エルエヌジー ジュピター)」(当社第1592番船)を引き渡しました。
本船は、当社が新たに開発した153,000m3型LNG運搬船の第3番船で、世界の主要なLNGターミナルへ入港可能な145,000m3型LNG運搬船の船体寸法を保持したまま、従来よりも約8,000m3多いLNG積載容量を有しています。

本船の引渡、主要目ならびに特長は次のとおりです。

<引 渡>    
    2009年7月1日
     
<主要目>    
全長   289.50 メートル
長さ(垂線間)   277.00 メートル
幅(型)   49.00 メートル
深さ(型)   27.00 メートル
満載喫水(型)   11.90 メートル
総トン数   121,675 トン
載貨重量   76,355 トン
貨物タンク容積   153,659 m3 (-163℃、98.5%において)
主機関   川崎UA-400型蒸気タービン機関×1基
    連続最大出力 27,600kW×82回転/分
航海速力   約19.5ノット
定員   45名
船級   日本海事協会(NK)
船籍   バハマ

 

<特 長>
1) 本船は、4個のモス型球形独立型LNGタンクを持ち、153,659m3の液化天然ガスを輸送する大型LNG運搬船です。
2) 4つの球形LNGタンクのうち、船尾側の3つのタンクについては、赤道部に高さ2メートルの円筒部分を追加してタンクを伸ばし、当社標準の145,000m3型からLNG積載容量を約8,000m3増やしています。
3) LNGタンクには、当社が独自に開発した川崎パネル方式による防熱システムを採用し、高い防熱効果によりLNGの蒸発率を約0.15%/日としています。
4) 貨物タンク区画は、二重船殻、二重底構造とし、LNGタンクはその内側に配置されているため、万一の船体損傷時でも直接タンクに損傷がおよばないよう安全に保護されています。
5) 操舵室は、最先端の電子航海機器を装備し、従来分散配置していた航海機器を集中配置して操作性の向上を図るとともに、全周に窓を配置して360度の視界を確保し、安全運航に寄与しています。
6) 荷役関係の監視・制御は、船橋下の居住区前面、貨物積込・揚荷区域の見通しがよい位置に設けた荷役制御室で行います。荷役制御室には統合制御監視装置(IAS)が配置され、荷役関係の監視・制御を統括します。また、本IASは機関制御室にも配置され、機関状態監視を行うことができるようになっています。
7) 気温-25℃、海水温-2℃の寒冷地でも貨物輸送を行えるようにするため、Enclosed Navigation Bridge Wingの採用、日本海事協会(NK)の寒冷地規則に対応した耐氷仕様の採用、バラストタンク凍結防止用のエアーバブリング装置の設置等、寒冷地環境下での機器類の作動等に支障がないような対策を講じています。
8) タンクカバー下端の高応力部には、疲労亀裂の発生及び伝播を抑制することができる耐疲労鋼を採用し、船体疲労強度の向上を図っています。