岸和田市貝塚市清掃施設組合向け最新鋭ごみ処理施設およびリサイクル施設を納入

2007年04月02日


川崎重工グループのカワサキプラントシステムズ(旧:カワサキ環境エンジニアリング)は、岸和田市貝塚市清掃施設組合(大阪府)向けに最新鋭のごみ処理施設およびリサイクル施設を納入しました。

今回納入した施設は、環境負荷の低減および資源循環型社会への貢献というコンセプトの基に、当社が開発した次世代型ストーカ式焼却炉のコア技術の多くを取り入れた最新鋭ごみ焼却設備、プラズマ式灰溶融設備およびごみの資源化・再利用化を目指したリサイクル施設で構成されています。
また、本施設は余熱を利用した発電設備として蒸気タービン発電機1基を備え、発電した電力を主に当施設の稼動電力として使用します。

本設備の技術的特長は次のとおりです。
(1) 「川崎―並行流焼却炉」
    ごみを送る方向に炎の流れを並行させる炉形状とすることにより、従来型より少ない空気量(=低空気比)で完全燃焼させ、かつ灰中の未燃成分を抑えます。
(2) 「川崎―水冷火格子」
    ごみを送り燃焼させる火格子を水冷することで焼却炉の耐久性を向上させます。
(3) 「排ガス再循環システム」
    焼却炉で燃焼後の温度が高く酸素濃度が低い排ガスを再度焼却炉に吹き込み循環させることにより、さらなる低空気比燃焼を達成し、高温安定燃焼とサーマルNOx(局部高温燃焼により発生する窒素酸化物)の低減を両立させます。

本施設は、ダイオキシン類排出基準、排ガス規制、排水規制および灰等の溶出規制などの厳しい基準を満たすとともに、上記技術によって次のような更なる環境負荷低減を達成しています。

(1) 排ガス総排出量 25%削減(当社従来設備比)
(2) 燃焼時発生NOx量 20%削減(当社従来設備比)
(3) 排ガス処理設備コンパクト化、設備負荷軽減によるユーティリティー低減

本施設は当社のごみ処理施設の納入実績として159施設目であり、当社の培って来た実用可能な最新技術の粋を集めたモデルプラントとなるものです。当社はストーカ式焼却炉以外にも、流動床式ガス化溶融炉、直接ガス式溶融炉(シャフト炉式)などの技術を有しており、客先のニーズに木目細かく対応する体制を敷いています。今後におきましても、深刻化する環境問題に対し、更なる技術力のブラッシュアップを計り、また多様化するニーズに応えるため積極的な技術開発と販売活動に取り組んでいきます。

【設備の概要】
(1) 所 在 地 : 大阪府岸和田市岸之浦町1番2
(2) 主要機器 : 〔燃焼設備〕 川崎―サン形火格子式並行流焼却炉
        531トン/24h【177トン×3炉】
      〔排ガス処理設備〕 バグフィルタ、湿式ガス処理設備、触媒脱硝装置
      〔灰処理設備〕 プラズマ式灰溶融設備
      〔余熱利用設備〕 蒸気タービン発電機 12,000kW×1基
      〔リサイクル設備〕 粗大ごみ処理設備 41t/日
        資源化設備 33t/日