米国での鉄道車両生産が20周年

2006年10月04日


川崎重工は、米国における鉄道車両の製造・販売会社Kawasaki Rail Car,Inc.(KRC:ニューヨーク州)ヨンカース工場が操業開始から20周年を迎えるのを記念し、10月4日(現地時間)に同工場で記念式典を開催します。

当社は、1984年にニューヨーク・ニュージャージー港湾局ハドソン横断公社(PATH)から地下鉄電車の新車製造および既存車のリハビリプロジェクトを受注し、同プロジェクトのエンジニアリングと製造を目的として、現地法人Kawasaki Rolling Stock(USA),Inc.(KRS)を設立し、1986年3月にヨンカース工場での操業を開始しました。なお、KRCは、KRSの業務を継承して1989年に設立されました。当社は、ヨンカース工場の開設以来、米国東海岸を中心とする鉄道事業者向けに、地下鉄電車や二階建客車など約1,800両を製造してきました。また、現地生産以前の輸出車両や今後生産・納入を開始する車両を含めると、受注実績は3,400両を超え、その豊富な実績、技術や品質は顧客から高い評価を得ています。特にニューヨーク市交通局(NYCT)からは、累計1,600両を超える受注実績があり、同工場で現在製造中のR160B型地下鉄電車の納入が完了すると、NYCT向け地下鉄電車ではボンバルディア社(加)を抜き、当社がトップシェアを占めることになります。

当社は米国において、KRCヨンカース工場と米国唯一の通勤電車・地下鉄電車の大量一貫生産工場であるKawasaki Motors Manufacturing Corp.,U.S.A.(KMM:ネブラスカ州)リンカーン工場の2つの生産拠点を有しています。今後は、R160B型地下鉄電車に続き、2008年からはPATH向けPA-5地下鉄電車340両、2009年からはメトロノース鉄道向けM-8交直流通勤電車300両の製造を開始し、2011年に納入を完了する予定です。

KRCは、ニューヨーク市に隣接した立地を活かし、NYCTやPATH、メトロノース鉄道向けなどのプロジェクトマネジメント、資材調達、鉄道車両の最終組立や検査・納入整備、アフターサービスに取り組んでいます。
当社は、兵庫工場(兵庫県神戸市)を車両システムの開発・設計、国内および北米向け以外の輸出車両の製造、ならびに全世界向けの台車や台車枠の製造を主業務とする鉄道車両のマザーファクトリーと位置付け、KRCおよびKMMと密接な連携をとることにより、海上輸送費・為替リスクの低減を実現するとともに、高効率でフレキシブルな生産体制を構築しています。今後もこれらの拠点を活用し、鉄道車両事業をグローバルに展開していきます。