ニューヨーク市向け7,000kW級ガスタービン発電装置を受注

2006年02月09日

川崎重工は、米国の大手エンジンメーカー、カミンズ社よりニューヨーク市向け7,000kW級ガスタービン発電装置2機を受注しました。

今回受注した装置は、ニューヨーク市環境保護局向け下水道ポンプ電源用の非常用発電装置「GPB70D」2機で、ニューヨーク市最大の下水ポンプ施設であるマンハッタン・ポンプ・ステーションに納入されます。同施設は、1960年代初めに作られた、マンハッタン島南半分全域で排出される下水をイーストリバー対岸にあるニュータウンクリーク下水処理場に送り込むための施設です。現在、能力増強を図るため老朽化した施設の更新プロジェクトが進められており、今回受注した装置は、その一環として主に停電時の非常用電源を確保するため新たに導入されるものです。

本プロジェクトにおいて、当社は米国のガスタービン販売拠点カワサキ・ガスタービン・アメリカ(Kawasaki Gas Turbines-Americas 以下、KGT-A)を通じ、地元建設業者シルバライト社より非常用発電設備を請け負うカミンズ社に装置を供給します。当社とKGT-Aは、カミンズ社とカワサキガスタービンの販売提携契約を締結しており、今回はカミンズ社を通じた初めての受注となります。
なお、本装置の現地搬入は2007年11月、運用開始は2008年後半を予定しています。

自社開発の「M7A」ガスタービンを搭載した6,000kW~7,000kW級の発電装置は、1994年に初号機を納入して以来、コンバインド・サイクルシステム、余剰蒸気をガスタービン内に噴射する熱電比可変型コージェネレーションシステムなどのバリエーションがあります。今回受注した装置は、軽油を燃料としており、DLE(Dry Low Emission)仕様により低NOxを実現しています。

当社は、これまで北中南米地域において、コージェネレーションおよび非常用発電設備向けに約200台のカワサキガスタービンを納入しており、受注した機種と同じ「M7A」ガスタービンを搭載した7,000kW級の発電装置もメキシコにおいて実績があります。今回の米国向け7,000kW級発電装置の初受注は、カワサキガスタービンの日本、欧州、アジアでの実績ならびに技術力と、カミンズ社のブランド力が高く評価されたものです。

米国最大の都市であり、経済の中心地であるニューヨーク市での受注を機に、当社は今後ともカミンズ社との提携関係を一層強化し、北中南米地域における「M7A」(7,000kW級)および「L20A」(18,000kW級)を核とした発電装置やコージェネレーションシステムのさらなる市場開拓に注力し事業拡大を図っていきます。また、米州以外にも欧州、東南アジア、中国を中心とした東アジア地域においても、現地販売拠点を核として積極的に事業展開を行い、世界4極体制で拡販に注力していきます。