単機出力で国内最大級の大型風力発電システムを納入

2006年02月07日


川崎重工と五洋建設は共同で、Jパワー(電源開発)の全額出資子会社(株)グリーンパワー瀬棚(本社:北海道久遠郡せたな町)に、定格出力12,000kWの大型風力発電システムを納入しました。

今回納入した大型風力発電システムは、北海道せたな町の臨海部に風力発電機6基を設置するもので、国内最大級の単機出力2,000kWのヴェスタス社(デンマーク)製風力発電機を採用しています。北海道では、単機出力2,000kWは初めての納入となります。

この発電機は、発電機中心までのハブ高さ約67m、翼外径80mの発電機で、風速4m/秒から25m/秒の風で常に最も効率よく発電できるよう、羽根を最適な角度に保つピッチ制御と、風の急激な変化で生じる出力変化を抑えるオプティスピード制御機能(※)を備え、発電出力の安定を図った最新鋭機です。この風力発電システムにより、一般家庭約1万世帯分の年間消費電力量に相当する約3,500万kWhを1年間に発電します。

川崎重工は、近年では「さらきとまないウインドファーム」(9基、計14,850kW)、「サミットウインドパワー酒田発電所」(8基、計16,000kW)、「せたな町洋上風力発電施設」(2基、計1,200kW)、「大須賀浄化センター風力発電設備」(1基、660kW)などを納入しており、今回の納入により納入実績は、累計39基、51,490kWとなります。また、受注累計は現在建設中の案件を含めて、合計44基、59,990kWです。

川崎重工は、世界の風力発電機市場でトップシェアを持つヴェスタス社(デンマーク)製風力発電機の日本総輸入代理店であるヴェステックジャパン(株)に資本参加(2000年6月)するなど、新エネルギーとして期待されている風力発電分野において、積極的な営業展開を行っています。

また、五洋建設もせたな町での洋上風力発電や、Jパワーグループの「東京臨海風力発電所」(東京都)、「田原臨海風力発電所」(愛知県)など臨海部での風力発電機の施工実績を有しており、さらに島根県「なかうみ農村公園風力発電」では中海のほとりに自社運営の風力発電施設を所有しています。今後陸域の適地が減少していく中、臨海部における風力発電事業の施設建設にも積極的に参画してまいります。

川崎重工と五洋建設は、今後も環境問題に配慮した自然エネルギーによる発電の普及に注力していきます。

(※)オプティスピード制御(OptispeedTM
オプティスピード制御は、コンバータを用いた可変速回転制御システムです。従来は回転速度の変動範囲は10%でしたが、オプティスピード制御では60%まで変動可能で、最も経済的な発電効率を実現します。 オプティスピード制御は、特に弱風時における発電を最適化することに威力を発揮します。また電気系統側のパラメータに合わせて風車の運転を容易に制御することができます。