中国向けセメント排熱発電設備を一括受注(カワサキプラントシステムズ)

2005年12月01日

川崎重工は、CONCHグループ(中国安徽海螺集団)傘下で中国最大のセメントメーカーである安徽海螺水泥股份有限公司より、8工場11セメントプラント向けに排熱発電設備を一括受注し、2006年7月から2008年1月にかけて順次納入する予定です。

セメントは、石灰石、粘土、酸化鉄材料などを混ぜ合わせた粉体材料を、所定の温度で焼成し、化学反応により水硬性をもった化合物「クリンカー」へと変化させ、さらに粉砕などの仕上げ工程を経て、製造されます。
セメント排熱発電設備は、セメント製造の予備焼成工程において発生する排ガスを排熱回収ボイラで熱回収し、蒸気タービンにより発電を行う設備です。本設備は、セメントプラントの排ガスを有効に活用でき、省エネルギーを推進するとともに環境対策にも効果があることから、日本国内の大型セメントプラントにはほとんど全てに設置されています。近年中国では、経済発展に伴い、電力需要が急増するとともに環境負荷の低減が大きな課題になっており、今回のCONCHグループによるセメント排熱発電設備の導入は、このような社会・経済情勢を背景としています。

今回受注した設備は、CONCHグループ傘下のセメント会社が所有する8工場11セメントプラントに設置するもので、11プラント全体で日本のセメント総生産量の約半分におよぶセメント生産量を誇るプラントに、出力8,300kWから30,500kWまでのセメント排熱設備を設置し、総出力は200,000kWクラスに達します。当社は、主要機器の供給のほか、客先が手配する機器の設計、現地工事・据付の技術指導・監督などを行います。

当社は、1980年に国内向けに2,640kWセメント排熱設備を納入して以来、トップシェアメーカーとしてこれまで20件の実績を有しています。また、中国におきましても、1998年にCONCHグループ傘下の寧国セメント向け(安徽省)に7,200kW、2004年に柳州セメント(広西チワン族自治区)向けに6,000kWのセメント排熱発電設備を納入し、現在順調に稼動しています。今回の受注は当社のこれらの実績と技術力が客先から高く評価されたものです。

今後とも当社は、セメントプラント向けなどの排熱回収ボイラをはじめ、製鉄プラント向け高炉ガス焚き発電設備など、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に寄与する製品の開発・販売に注力していきます。

□契約の概要

1.納入場所 :CONCHグループ傘下のセメント工場(8工場11プラント)
2.設備形式 :セメント排熱発電設備
3.契約内容 :排熱回収ボイラの供給、客先手配機器の基本設計、現地指導など
4.発電能力 :総出力189,000kW(8,300kW~30,500kW)
5.納期 :2006年7月~2008年1月