国立公園内で初の大型風力発電システムを受注

2005年10月27日


(完成イメージ)


川崎重工は、熊本県小国町と豊田通商(株)が設立した第3セクターの(株)ウインドテック小国から、国立公園内で初めてとなる定格出力8,500kWの大型風力発電システムをフルターンキーで受注しました。本システムの納入は、2007年3月の予定です。

今回受注した大型風力発電システムは、阿蘇くじゅう国立公園内の熊本県小国町の牧場内に建設されます。国立公園内での売電用風力発電システムの建設は国内で初めてであり、景観に配慮した配置計画や風力発電機の色をグレー(通常は白)にすることなどにより環境省の認可を得て、来月建設工事を開始する予定です。

本風力発電システムは、単機出力1,700kWのヴェスタス社(デンマーク)製の風力発電機5基で構成されています。風力発電機は、発電機中心までのハブ高さ約67m、翼外径66m、最高高さが約100mで、風速4m/sから25m/sの風で最大1,700kWを発電します。この風力発電システムにより一般家庭5,100世帯分の年間消費電力量に相当する約1,600万kWhを1年間に発電し、発電した電力はすべて九州電力へ売電されます。

当社は、近年では、さらきとまないウインドファーム(9基、計14,850kW)、サミットウインドパワー酒田発電所(8基、計16,000kW)、瀬棚町洋上風力発電施設(2基、計1,200kW)、大須賀浄化センター風力発電設備(1基、660kW)などを納入し、現在までに累計33基、39,490kWの納入実績を有しています。さらに、受注累計は現在建設中の案件を含めて、今回の受注により合計44基、59,990kWとなります。

当社は、風力発電機市場では世界でトップシェアを持つヴェスタス社製風力発電機の日本総輸入代理店であるヴェステックジャパン(株)に資本参加(2000年6月)するなど、新エネルギーとして期待されている風力発電分野において、積極的な営業展開を行っています。

当社は風力発電をはじめとして、バイオマス発電、廃棄物発電などの新エネルギーによる発電分野において積極的に事業展開を進めており、さらに液体水素コンテナなど新エネルギー関連分野の製品も手掛けています。今後も社会・市場ニーズに加え、地球温暖化の防止に寄与する製品の開発・販売に努めていきます。