福島県消防学校向けAFTシステムを納入

2005年04月18日

川崎重工は、福島県消防学校向けにAFT(先端消防訓練:Advanced Fire-fighting Training)システムを納入しました。

今回のAFTシステムは、建物内での火災を想定した消防訓練を行うため福島県消防学校内に設置されたもので、模擬火災発生装置、プロパンガス供給装置、排気装置、電気設備、熱遮蔽設備から構成されています。このシステムは訓練室内に設置された火災モジュールから発生する火炎および熱をコンピュータ制御することにより、実際と同様の火災環境を作り、訓練対象者に対して安全に繰り返し消火訓練の場を提供することができます。また、本システムにより発生した熱気・模擬煙は、訓練棟各階の各訓練室に供給され、AFT設置訓練室以外でも実際の火災現場に近い環境下で救出・救難訓練を行うことが可能です。

今回納入したAFTシステムおよび熱気・模擬煙供給装置の主な特長は次の通りです。

(1)

火炎の高さ・成長速度、消火の難易度、鎮火作業の必要時間などの訓練パラメータを選択・設定することにより、さまざまな訓練シナリオを実施することが可能
(2)火炎および熱はコンピュータ制御するため、小人数での操作・管理が可能
(3)プロパンガスを使用するため、煤煙の発生も少なく、瞬時に火炎を発生・停止させることができ、短時間の内に繰り返し訓練することが可能
(4)AFTシステムにより発生した熱気・模擬煙を訓練棟の1~3階の各訓練室に供給する装置を設置し、実際の火災現場に近い環境下で救出・救難訓練を行うことが可能

福島県では新長期総合計画「うつくしま21」に基づき、安全が確保され安心できるくらしの実現のために総合的な消防・防災体制の整備を進めており、その一環として県消防学校の改築整備事業を行いました。本AFTシステムおよび熱気・模擬煙供給装置は、福島県の防災対策の充実と消防力の整備のために今後の活用が期待されています。

今回当社が納入した建物火災用のAFTシステムは、2004年に納入した兵庫県立広域防災センターに続き、わが国で6か所目です。

当社は、今回の建物火災用訓練システムに加え、航空機火災、艦艇・船舶火災、産業機械火災、燃料流出火災などあらゆる火災を模擬したAFTシステムをラインアップしており、今後とも全国に積極的に営業展開をしていきます。

□契約および納入設備の概要
1.納 入 先:福島県消防学校(福島県福島市)
2.納入設備:AFTシステム一式および熱気・模擬煙供給装置
3.火炎燃料:プロパンガス