ブラジル向けコークスガス回収発電プラントを受注

2005年03月22日

川崎重工は、ブラジルのSOL Coqueria Tubarao S.A.(ソル社)向けコークスガス回収発電プラントを同国建設大手 Construtora Andrade Gutierrez S.A.(アンドラージ社)より受注しました。受注金額は約100億円で、納期は2006年12月の予定です。

ブラジル製鉄大手ツバロン製鉄所は、同国エスピリトサント州セラ市の同社製鉄所内に、環境面に配慮した155万トン/年の生産能力をもつ最新のコークスプラントを導入するとともに、その排出ガスを燃料とした発電プラントを併設しエネルギーを有効に活用する設備拡張計画を進めています。ソル社は、ツバロン製鉄所が中心となって、同国ベルゴ社、米国Sun Coke(サン・コーク)社とともに設立した事業会社で、コークスプラントおよび併設の発電プラントのオーナーとなります。
今回当社が受注した発電プラントは、コークスプラントより排出される1,000℃超のガスを排熱回収ボイラ8基で熱回収し、蒸気タービン2基により発電を行う、出力198MWの発電設備(発電効率約33%)で、特殊なガス(高温でダストを含む)に対応するボイラに関しての当社の豊富な実績が高く評価されました。当社は発電設備の主要機器(排熱回収ボイラ、蒸気タービン、発電機、制御システム、脱硫設備など)の供給などを行い、現地工事・据付などについては、当社からの技術指導・監督に基づき、アンドラージ社が担当します。

当社は、ブラジルにおいて、炉頂圧回収発電設備をツバロン製鉄所(発電能力20,000kW)、アソミナス製鉄所 (同11,340kW)、ウジミナス製鉄所(同18,800kW)に納入したほか、出力310MW級複合火力発電所(CCPP:Combined Cycle Power Plant)をブラジルの独立系発電事業者(IPP)フォレタレザ社向けに納入するなど、多くのパワープラントの納入実績を持ちます。
今後とも当社は、炉頂圧回収発電設備や化学・セメントなど各種プラント向けの排熱回収ボイラなど、エネルギーの有効利用に寄与する製品の販売に注力し、パワープラント事業を強力に推進していきます。

□契約の概要

1.納入場所:ツバロン製鉄所(エスピリトサント州セラ市)
2.設備形式:コークスガス回収発電設備
3.機器構成:排熱回収ボイラ、蒸気タービン、発電機、制御システム、脱硫設備など
4.発電能力:198MW

(※)ツバロン製鉄所は、アルセロール(仏)、リオドセ(伯)、JFE等が出資する粗鋼生産500万トン/年の粗鋼生産量を持つブラジルにおける最大規模の製鉄所です。