台湾向け液化エチレン貯蔵・払出設備一式を納入

2004年05月19日

川崎重工は、中国石油股(コウフェン)有限公司(以下、中国石油公司)の前鎮(ゼンチン)石化製品基地(台湾 高雄市)向けに液化エチレンタンクを含む貯蔵・払出設備一式を納入しました。本設備は2002年3月に受注していたもので、今回の納入により、当社の液化エチレンタンクの納入実績は、1977年に韓国の湖南エチレン(株)向けに液化エチレンタンク2基を納入して以来、合計19基となります。

今回納入した設備では、-100℃以下の液化エチレンを貯蔵するため、極低温用材を用いた内槽殻と常温材を用いた外槽殻の間に断熱材を用いた地上式2重殻構造の液化エチレンタンク(タンク容量15,000t)を採用しています。また、本設備は液化エチレンタンクの他に、液化エチレンの荷役設備やエチレン気化器、自然気化したガスを再液化しタンクに戻す再液化装置など関連設備一式を含みます。

台湾においては近年、液化エチレン市場への有力化学会社の新規参入により競争が激化しており、中国石油公司は今回の液化エチレン貯蔵・払出設備一式の導入により能力を増強し、同地域における競争力強化を図ります。

当社は、液化エチレン貯蔵設備に加え、石油ショック以降、LPGやLNGなどのガス燃料の運搬・貯蔵設備が増加するという予測のもと、早くから低温・極低温タンクの開発に取組み、1981年には、わが国初の世界最大級のLNG運搬船を建造するとともに、1982年には地下式、1983年には地上式のLNG貯槽設備を初受注し、現在までに国内外で建設中を含め合計26基におよぶ受注・納入実績を有しています。

なお当社は、最近では2003年9月に広島ガス株式会社向けにLNG貯槽設備(容量85,000キロリットル)を納入したほか、日本ガス株式会社鹿児島工場のPCLNG貯槽設備(容量50,000キロリットル)を土木工事含めて一括受注しており、2005年10月の完成を目指して現在施工中です。

当社は、今後も低温・極低温タンクを中心とする各種貯蔵設備の総合エンジニアリング事業を国内外で積極的に展開していきます。