LPG運搬船「CLIPPER SKY」の引渡し(川崎造船)

2004年03月22日

 

川崎造船は、3月19日に、LPG運搬船「CLIPPER SKY:クリッパー スカイ」(当社第1543番船)をPARTREDERIET CLIPPER SKY DAに引渡しました。本船はノルウェーのBERGESEN D.Y. ASA社とSOLVANG ASA社から当社が受注した最新鋭の59,200m3型LPG船5隻の最終船であり、引渡し後はSOLVANG ASA社によって運航されます。
本船の引渡しにより、当社は累計37隻のLPG運搬船を建造したことになります。

なお、本船の工程、主要目ならびに特長は次のとおりです。

1.工 程

起工 2003年 8月18日
  進水 2003年10月 4日
  引渡し 2004年 3月19日


2.主要目

全長 204.915m
  長さ(垂線間) 200.45 m
  幅(型) 32.20 m
  深さ(型) 20.20 m
  満載喫水(型) 12.00 m
  総トン数 35,158t
  載荷重量 44,617t
  貨物タンク容積 59,363m3
  主機関 川崎-MAN B&W 5S60MC-C型ディーゼル機関×1基
    連続最大出力11,275キロワット×105回転/分
  航海速力 約16.55ノット
  定員 31名
  船級 Det Norske Veritas(DNV)
  船籍 ノルウェー(Norwegian International Ship Register:NIS)


3.特 長

1) 低温で液化されたLPG/アンモニアなどを積むため、船体から自由に収縮する独立型貨物タンクを4区画の船倉内に4基設けています。
  2) 当社が開発した新船首(SEA-ARROW)を採用し、船が航走する際に造る船首波による抵抗を極限まで減少させ推進性能の大幅向上を図っています。
  3) 貨物タンクには、-50℃までの貨物を積み込むことができるように低温用特殊鋼材が使用され、周囲は発泡ウレタンを用いた防熱が施されています。
  4) 再液化装置には3段コンプレッサーを採用している他、カーゴヒーター、カーゴベーパライザ、ブースターポンプ、エアレーションファンを備え、効率の良い荷役が可能となっています。
  5) 主機関には、省燃費型の超ロングストローク2サイクル低速ディーゼル機関が採用されており、さらに川崎フィン付ラダーバルブの採用により、燃料消費量の低減が図られています。また、電子式シリンダ注油器を装備し、シリンダ油消費の低減を図っています。
  6) 機関部および貨物部の制御を一体化したIAS(Integrated Automation System)を採用し、各機器、弁の集中監視および制御を制御室より行うことが可能です。
  7) 積荷の種類を変更する場合に必要となるガス置換を、通常の場合は積基地にて行いますが、本船では上甲板に設置したデッキタンク(300m3および180m3各1基)に予め予定貨物を積み、積基地への航海中に実施することが可能となっています。これにより、積基地における荷役作業時間の短縮を図っています。