国内初の水路部を有効活用した単機出力で国内最大の大型風力発電システムを納入

2004年03月10日

 

川崎重工は、住友商事の100%子会社であるサミットウインドパワー酒田(株)向けに、定格出力16,000kWの大型風力発電システムを納入しました。なお、本システムは2003年1月に当社がフルターンキーで受注していたもので、本システムの納入により、当社の風力発電機の納入実績は、計32基になります。

今回納入した大型風力発電システムは、山形県酒田市の酒田北港の西護岸水路部(幅約50m)を有効活用し、国内初の水路上に基礎を持つ風力発電機5基と、隣接する宮海海岸に設置する風力発電機3基の計8基で構成しています。また、この風力発電機は、国内最大の単機出力2,000kWのヴェスタス社(デンマーク)製を採用しています。

本風力発電機は、発電機中心までのハブ高さ約60m、翼外径80mの発電機で、風速4m/秒から25m/秒の風で常に最高出力が得られるように、風を最大限とらえるピッチ制御と、風の急激な変化で生じる出力変化を抑えるオプティスピード制御機能(※)を備え、発電出力の安定を図っています。なお、発電した電力はすべて東北電力に売電され、酒田市全世帯の約3割の年間使用電力量をまかなうことになります。

当社は、2001年2月に単機出力660kWの風力発電機3基で構成される風力発電設備を北海道稚内市向けに納入したほか、2001年12月には「さらきとまないウィンドファーム」向けに単機出力1,650kWの風力発電機9基で構成される大型ウィンドファームを納入するなどの納入実績を有しています。最近では、2004年2月には北海道瀬棚町向けに風力発電システムを納入しています。

当社は、世界の風力発電機市場でトップシェアを持つヴェスタス社(デンマーク)製風力発電機の日本総輸入代理店であるヴェステックジャパン(株)に資本参加(2000年6月)するなど、新エネルギーとして期待されている風力発電分野において、積極的な営業展開を行っています。

今後も当社は、風力発電設備をはじめとして、バイオマスなどの自然エネルギーによる発電分野においても積極的に事業展開を進め、社会・市場ニーズに加え、環境に配慮した製品の開発・販売に努めていきます。

(※)オプティスピード制御(OptispeedTM
  オプティスピード制御は、コンバータを用いた可変速回転制御システムです。従来は回転速度の変動範囲は10%でしたが、オプティスピード制御では60%まで変動可能で、最も経済的な発電効率を実現します。
オプティスピード制御は、特に弱風時における発電を最適化することに威力を発揮します。また電気系統側のパラメータに合わせて風車の運転を容易に制御することができます。