第二バンコク国際空港向け地域冷房設備を受注

2004年02月24日

川崎重工は、住友商事と共同でDistrict Cooling System and Power Plant Company Limited(DCAP)より、現在建設中の第二バンコク国際空港(スワンナプーム国際空港)向け地域冷房設備を受注しました。タイで当社が地域冷房設備を受注したのは、今回が初めてです。

今回受注した地域冷房設備は、2005年9月に開港予定の第二バンコク国際空港に設置されるもので、新バンコク国際空港公社に冷房用冷水の供給を行う事業者であるDCAP社から当社が受注したものです。当社の契約範囲は詳細設計、機器調達、組立据付工事、指導監督、試運転、運転員のトレーニングで、受注金額は約16億円です。なお、当設備は2004年11月に完成予定です。

当社が受注した地域冷房設備は、2,100冷凍トンの蒸気式吸収冷凍機8台で構成され、全体の設備容量はタイでは最大級の16,800冷凍トンです。蒸気式吸収冷凍機は、空港内の発電設備で回収された蒸気を熱源として有効利用する最新の高性能型を採用し、全体のエネルギー効率を高めています。
また、この地域冷房設備は、東プラントと西プラントに分割され、5℃の冷水を空港内のターミナルビルやコンコースに供給します。冷水ポンプは、部分的にインバータ駆動ポンプを採用し、搬送動力の低減を図っています。

当社は1992年に神戸ハーバーランドに地域冷暖房設備を納入して以来、数々の国内地域冷暖房設備を建設するとともに、最近では、2003年10月にマレーシア新行政首都プトラジャヤにおいて地域冷房設備を完成させ、さらに増設設備の建設も行っています。今回の受注は、国内外におけるこれらの実績が高く評価されたものです。

第二バンコク国際空港は、現在狭隘化しつつある現バンコク国際空港(ドンムアン空港)に替わる国際空港として新バンコク国際空港公社がバンコク郊外(バンコクの東約30kmにあるノングハオ)に建設を進めているもので、第1期開港時には3,700mの滑走路2本を持つ東南および東アジア地区における最大級の国際ハブ空港となり、完成後は年間約3,000万人の旅客が見込まれています。

なお当社は、第二バンコク国際空港向けには、2002年11月に旅客手荷物処理システム(Baggage Handling System)を、ITO(イタリアン-タイデベロップメント、竹中工務店、大林組)共同企業体より受注しており、今回の地域冷房設備は同空港向け設備として2件目の受注になります。

当社は、本プロジェクトを機に、今後はタイをはじめ東南アジア各国での地域冷房設備の受注活動を積極的に展開します。