ナミビア向けダイヤモンド採集用破砕・粉砕設備を出荷(アーステクニカ)

2004年02月04日

 

株式会社アーステクニカは、NAMDEB社〔ナムデブ社。ナミビア国と世界最大のダイヤモンド採集業者であるDE BEERS社(デ・ビアス社。南アフリカ)の合弁会社〕向けに、ナミビア西海岸でダイヤモンドを採集するプラントの主要機器である破砕・粉砕設備を出荷しました。なお、本プラントの現地組立・設置工事は、同国のエンジニアリング会社であるベイトマン社が担当し、2004年10月に完成する予定です。

NAMDEB社は、従来海岸砂に含まれているダイヤモンドを、ふるい分けした上で洗浄し、比重選鉱により採集してきましたが、近年になり海岸砂が取り尽くされつつあることから、海岸砂の下層からの採集を計画しています。
海岸砂の下層は、岩・粘土・粘土混じりの土砂などが交互に層を形成し、湧き出した海水と土砂とが混ざり合った状態であり、従来のプラントで採集することは困難です。

今回、当社が出荷した設備は、このような複雑な海岸砂の下層部分からダイヤモンドを採集するプラントの主要機器で、採取した土砂等を3段階で破砕・粉砕し、優先破砕技術の活用により、ダイヤモンドを傷つけることなく、1.4~6.0mmの清浄な産物を得ることができます。
本プラントの特長として、1次破砕には当社が独自開発した湿式ジャイレトリクラッシャを採用し、従来は処理の難しかった付着性が高く高水分の土砂を安定的に処理するとともに、水と原料を一緒に攪拌しながら破砕することによる洗浄作用により全工程での使用水量が大幅に削減できます。また1次粉砕にはダイヤモンドを傷つけることなく粘土塊・岩を解砕することができる当社新開発のボール循環式特殊ボールミルを採用しています。そのほか、機器類にさまざまな工夫を加えることで、従来の破砕・粉砕機器では取り扱いの難しい土砂等を処理することが可能になっています。

当社は破砕技術における長年の豊富な経験と実績を基に、常に顧客のニーズを先取りした製品開発で業界をリードしてきました。特にジャイレトリクラッシャ等大型破砕機分野では、卓越した技術を有し、海外の大規模鉱山を中心に多数納入しています。今後とも当社は積極的に破砕技術の開発に努め、大型破砕機を各業界に提供していきます。

本プラントの機器構成は次の通りです。

・1次破砕機 : 湿式ジャイレトリクラッシャ
・2次破砕機 : 湿式コーンクラッシャ 2基
・3次破砕機 : 湿式ハイプレッシャコーンクラッシャ 2基
・1次ミル : ボール循環式特殊ボールミル 2基
・2次ミル : 優先粉砕式ボールミル 2基
・その他 : 湿式振動篩 14基