LPG運搬船「BERGE NANTES」の引渡し(川崎造船)

2003年11月04日

川崎造船は、10月31日に、LPG運搬船「BERGE NANTES:ベルゲ ナンテ」(当社第1530番船)をBERGESEN DY SHIPPING AS社(ベルゲッセン ディーワイ シッピング エーエス ノルウェー)に引渡しました。本船はBERGESEN D.Y. ASA社とSOLVANG ASA社が計画し、当社が受注した5隻の最新鋭LPG運搬船の第3番船であり、引渡後はフランスのGREEN TANKERS AS社によって運航されます。
本船の引渡しにより当社は累計35隻のLPG運搬船を建造したことになります。

本船の工程、主要目ならびに特長は次の通りです。

1. 工 程
起工 2003年 3月 8日
進水 2003年 4月13日
引渡 2003年10月31日
2. 主要目
全長 204.915 m
長さ(垂線間長) 200.45 m
幅(型) 32.20 m
深さ(型) 20.20 m
満載喫水(型) 12.00 m
総トン数 35,190 t
載貨重量 44,773 t
貨物タンク容積 59,399 m3
主機関 川崎-MAN B&W 5S60MC-C型ディーゼル機関×1基
連続最大出力11,275キロワット×105回転/分
航海速力 約16.55 ノット
定員 31名
船級 Det Norske Veritas(DNV)
船籍 フランス


3.特 長

1) 本船は、ブタン・プロパン等の通常のLPGに加えて、アンモニアを搭載することができる多目的LPG運搬船であり、低温で液化されたLPG/アンモニア等を積むため、船体から自由に収縮する独立型貨物タンクを4区画の船倉内に4基設けています。
2) 本船には、また当社が独自開発した革新的な船首先端形状"SEA-ARROW"を採用し、船が航走する際に造る船首波による抵抗を極限まで減少させ推進性能の大幅向上を図っています。
3) 貨物タンクには、-50℃までの貨物を積み込むことができるように低温用特殊鋼材が使用され、周囲は発泡ウレタンを用いた防熱が施されています。
4) 再液化装置には3段コンプレッサーを採用している他、カーゴヒーター、カーゴベーパライザ、ブースターポンプ、エアレーションファンを備え、効率の良い荷役が可能となっています。
5) 主機関には、省燃費型の超ロングストローク2サイクル低速ディーゼル機関が採用されており、さらに川崎フィン付ラダーバルブの採用により、燃料消費量の低減が図られています。また、電子式シリンダ注油器を装備し、シリンダ油消費の低減を図っています。
6) 機関部および貨物部の制御を一体化したIAS(Integrated Automation System)を採用し、各機器、弁の集中監視および制御を制御室より行うことが可能です。