自社開発ガスタービンコージェネレーションシステムを岐阜工場に導入

2003年09月29日

川崎重工は、温暖化防止対策と省エネを実現する、自社開発のガスタービンコージェネレーションシステム「PUC60Eco PLUS」を岐阜工場に導入します。本システムの稼動開始は2004年秋の予定です。

航空宇宙関連製品を生産する岐阜工場では、現在主に工場内で使用する蒸気は重油焚ボイラで供給し、電力は電力会社から供給を受けています。今回導入するシステムは岐阜工場全消費電力の約4分の1相当の電力と、年間を通じて必要な最低蒸気量12t/hを供給します。従来の重油焚ボイラと電力会社からの電力供給に比べ14%(2,688t-CO2減)の二酸化炭素排出量削減ができ、工場全体で7%の省エネ率向上が見込まれます。

近年地球規模の課題である地球温暖化防止対策の一環とし、二酸化炭素排出量の抑制に寄与するため工場内の蒸気・電力供給源を、天然ガスを燃料とした総合エネルギー効率の高いガスタービンコージェネレーションシステムに転換することが目的です。なお導入には環境アセスメントを実施し、さまざまな方面から周辺環境へ配慮しています。

今回導入する「PUC60Eco PLUS」は、当社が自社開発した6,000kW級ガスタービンエンジン「M7A-01」を主機とするコージェネレーションシステムで、NOx低減を水噴射方式と蒸気噴射方式に切り換えて運用することができます。これにより蒸気需要が多い冬季は蒸気を全量工場内に供給し、NOx低減を水噴射方式で対応する一方、電力需要の多い夏季は発生蒸気を最大8t/hガスタービン本体に注入することで発電量を増加させるなど、電力と蒸気の需要に応じて、よりフレキシブルに有効利用することが可能です。

当社は全社的環境対策への取組みとして1994年より3ヵ年毎の「環境保全活動基本計画」を策定し、着実に環境への取組みを推進し、2003年度から開始した第4次計画では環境への対応は経営の重要な一部であることをより明確に位置付け、「環境経営活動基本計画」としました。その中で、二酸化炭素を始めとする温室効果ガス排出量を総量で1990年レベルに削減する(9,500t-CO2減)など定量目標を掲げており、今回の岐阜工場でのコージェネレーションシステム導入もこれらの取組みの一環となります。

当社は今後も事業活動における環境負荷低減を実現するとともに、循環型社会の形成と推進により一層積極的に参加し、環境調和型経営を推進していきます。

<ガスタービンコージェネレーションシステムの概要>

1)種類 常用ガスタービンコージェネレーション
2)燃料天然ガス
3)発電電力 6,480kW
4)蒸気発生量12.6t/h
5)運転時間約5,650時間/年