中国 発電所向け大型排煙脱硫設備を受注

2003年05月29日

川崎重工は、河北国華定洲発電所(60万kW×2基)の石炭火力発電設備向け大型排煙脱硫設備2基を、河北国華定洲発電有限責任公司より受注しました。受注金額は約30億円で、契約範囲は排煙脱硫設備の設計、主要設備の供給、吸収塔据付および試運転指導と運転員のトレーニングです。

今回受注した設備は、同発電所の一期工事で新設される60万kW 2基の発電所に合わせて建設されるもので中国に設置されている排煙脱硫設備としては最大規模です。なお、完成は2005年3月の予定です。

河北国華定洲発電所は、中国国家電力公司の分割民営化後、中国における5大電力会社の一角を占める北京国華電力と、河北省電力公司、河北省建設投資公司が合弁で中国河北省定洲市に建設しているものです。同発電所は、河北省での電力需要の増加に対応するもので、最終的には総発電容量240万kWに拡大される計画です。

今回当社が納入する自社開発の湿式石灰石-石膏法排煙脱硫設備は、世界的に最も普及したスプレー塔方式を採用しており、その安定した運転実績と保守の容易さが特長です。中国向け排煙脱硫設備では、当社は1995年に広西自治区の南寧化学工業集団向けに簡易型排煙脱硫設備を納入して以来、 江蘇省揚州発電所向けに20万kW石炭火力発電設備用に1基の排煙脱硫設備を納入したほか、現在、貴州省安順発電所向けに30万kW石炭火力発電設備用に2基の排煙脱硫設備を建設中です。今回の受注では、中国市場におけるこれらの受注・納入実績が高く評価されました。

また当社は、本設備の受注に合わせて、北京国華電力の環境装置関連の子会社である北京博奇電力科技有限公司に対して、排煙脱硫技術のライセンス契約を締結しました。本プロジェクトを通して当社は、同公司を中国における技術供与先の1つとして育成し、定洲発電所はもとより、今後本格的な拡大が期待される中国市場において排煙脱硫設備をはじめとするエネルギー関連設備の拡販を図っていきます。