川崎-流動床ガス化溶融式ごみ処理プラントを納入

2003年03月26日

川崎重工は、滋賀県の湖西広域連合(構成町村:マキノ町、今津町、朽木村、安曇川町、高島町、新旭町)向けに、川崎-流動床ガス化溶融式ごみ処理プラント(以下、ガス化溶融炉)を納入しました。

今回納入したガス化溶融炉は、処理能力75t/日(37.5 t/24h×2基)で、ガス化炉と溶融炉を組み合わせた流動床ガス化溶融方式を採用しています。流動床ガス化溶融方式は広範囲のごみ質に対応でき、安定した運転が可能であるとともに、環境負荷の低減を考慮したシステムです。

□ガス化溶融炉の技術的特長

1.ごみの持つ自己熱を利用して灰溶融を行い、灰分を溶融スラグとして回収します。ごみをガス化する方法には、実績豊富な流動床方式を採用しています。
2.ごみをガス化し、溶融炉内で高温で溶融するため、ダイオキシン類が分解されます。
3.溶融炉はコンパクトに設計されており、炉壁に溶融スラグ自体でコーティングされるセルフコーティング構造を採用し、耐久性を向上しています。
4.ガス化炉に投入されたごみを、還元性雰囲気において500~600℃の低温域でガス化させるため、鉄やアルミなどは、未酸化の状態で回収することができます。

また当社は、今回納入した流動床ガス化溶融方式以外にも、ガス化させて発生した熱分解ガスと灰分を含む未燃固形分(チャー)を分離し、チャーのみを溶融する流動床ガス化溶融方式(分離方式)や、直接ガス化溶融方式(シャフト炉式)の技術も有しており、客先のニーズに木目細かく対応する体制を敷いています。さらにアドバンストストーカ炉やRDF(ごみ固形化燃料)製造・発電プラントもラインアップしており、製品メニューの多様化と一層の高付加価値化を図っています。

今回の納入実績をもとに、多様化するごみ処理プラント分野のニーズに対応するため、当社は今後とも積極的な技術開発と販売活動を展開していきます。

【施設の概要】
1.発注者:滋賀県 湖西広域連合
(構成町村:マキノ町、今津町、朽木村、安曇川町、高島町、新旭町)
2.所在地:滋賀県高島郡今津町
3.敷地面積:約12,350m2
4.処理能力:75t/日(流動床ガス化溶融方式)
5.設備構成:ガス化炉(散気管式流動床炉)、溶融炉(旋回溶融式)、
ごみ前処理装置(2段ごみピット、ごみ破砕機、ごみ乾燥機)、
不燃物処理装置(不燃物粉砕機、磁選機、アルミ選別機)、
排ガス処理設備(バグフィルタ、消石灰及び活性炭吹込み、触媒反応塔)