イラン向けアンモニア・肥料プラントを受注

2002年12月26日


 

川崎重工は、イランの官民出資の企業であるケルマンシャ石油化学工業(Kermanshah Petrochemical Industries Company、以下KPIC)が、イラン・ケルマンシャ(テヘランより南西520Km)に建設するアンモニア・尿素肥料プラント及び付帯設備を、トーメンとイランのエンジニアリング会社であるナンバラン社(Namvaran Consulting Engineering Company、所在地:テヘラン)と共同で受注しました。当社の契約範囲はライセンス、設計、機器調達及び技術者派遣で、本プラントの納期は2004年8月の予定です。

今回受注したアンモニア・尿素肥料プラントは、現地で産出する天然ガスを原料として、アンモニア1,200トン/日、そのアンモニアから尿素2,000トン/日を生産できる大型肥料プラントです。アンモニアのプロセスは、英国の大手エンジニアリング会社であるエム・ダブル・ケロッグ社(M.W.Kellogg Limited、以下MWKL)の方式を、尿素のプロセスはオランダのスタミカーボン社(Stamicarbon b.v.)の方式を採用します。なお、生産された尿素はイラン国内で農業用化学肥料として使用されます。

今回の受注は、当社とMWKLが1996年に、イラン・コラサン州のコラサン石油化学(Khorasan Petrochemical Company)に納入した、アンモニア・尿素肥料プラントの実績が高く評価されたものです。当社は、MWKLとMWKLの米国会社であるケロッグ・ブラウン アンドルート社(Kellogg Brown & Root, Inc.、以下KBR)の協力のもとに、肥料プラント分野においてはイラン・コラサン州以外にも、ナイジェリア(1988年)、中国ZEPU(2000年)、中国海南島(2001年)で大型肥料プラント一括受注での協業実績があり、当社の肥料プラント受注実績としては、本件が5件目となります。また、KBRの最新アンモニア技術に必要な新型触媒を使用する反応器をKBRと共同開発し、1992年以来7基を納入しています。

さらに当社はMWKL、KBRとともに、肥料以外のプラント分野でもメタノールプラントではチリ(1988年)、エチレンプラントでは中国蘭州(1988年)、ブルガリア(1991年)、日本国内(1991年、1998年)での納入実績があります。

イランでは、農業用化学肥料の国内需要増加に伴い、今後も肥料プラントの建設が計画されており、2005年までに現在の肥料生産能力を2倍の300万トン/年まで引き上げると見られています。当社は今後も中東、東南アジアをはじめ、建設ニーズが高まる肥料プラント分野において、これまでのMWKL、KBRとの協業実績をもとに、さらに協力体制を強化し、積極的な営業活動を展開していきます。