高効率スーパーごみ発電を備えたごみ焼却設備を千葉市に納入

2002年12月24日

 

川崎重工は、高効率なスーパーごみ発電を備えたごみ焼却設備を、千葉市に納入します。

今回納入するごみ焼却設備は、当社独自に開発した「川崎―サン形火格子式ストーカ焼却炉」(405t/24h)を採用しています。本焼却炉は3段構成の焼却炉で、ごみをゆっくり攪拌・移動させながら、空気吹き込みと炉の形状により安定した確実な燃焼を実現し、COなどの未燃ガスを完全燃焼させ、ダイオキシン類生成のもとになる物質の発生を抑制する効果があります。

また本設備は、余熱利用設備として蒸気タービン発電機1基、ガスタービン発電機2基によるコンバインド方式の高い発電効率を持つスーパーごみ発電を備えています。通常ごみ焼却設備での発電は、設備の腐食を考慮して一般に300℃の蒸気を使用するため、通常発電効率は10~15%になりますが、本設備では蒸気タービンとガスタービンのコンバインド方式を採用し、ガスタービンの排熱を利用して蒸気温度を最大480℃に高めることで腐食の問題を回避して、26。5%という高い発電効率を達成します。またコンバインド方式の採用により複数電源系統になり、信頼性が向上するとともに焼却炉の起動時にガスタービンを単独使用することにより消費電力を削減できます。

千葉市向けごみ焼却設備では、スーパーごみ発電以外にも下記の特長を有しています。

(1) 灰処理設備はプラズマ式灰溶融処理装置を採用し、ごみから発生する焼却灰、焼却飛灰を溶融処理して排出物の減容化を図っています。
(2) 排ガス処理設備は、湿式ガス洗浄装置を採用して有害ガスを低レベルまで除去し、排ガスの高度処理を行っています。


当社は、今回納入する川崎―サン形火格子式ストーカ焼却炉をはじめ、ガス化溶融炉、RDF(ごみ固形化燃料)発電設備などさまざまな環境関連技術も有しており、製品メニューの多様化と一層の高付加価値化を図り、客先の個別ニーズに木目細かく対応する体制を取っています。

本設備納入の実績をもとに、ゴミ焼却設備、リサイクルをはじめとする環境装置関連分野において、多様化するニーズに対応するため、積極的な技術開発と販売活動を展開していきます。

【設備の概要】
(1)所 在 地: 千葉県千葉市美浜区新港
(2)主要機器: 〔燃焼設備〕 川崎―サン形火格子式ストーカ焼却炉 405t/24h(135t×3炉)
  〔排ガス処理設備〕 バグフィルタ、湿式ガス処理設備、触媒脱硝装置
  〔灰処理設備〕 プラズマ式灰溶融処理
  〔余熱利用設備〕 スーパーごみ発電(蒸気タービン発電機12,150kW×1基、ガスタービン発電機4,500kW×2基)