超低NOx触媒燃焼器を搭載したコージェネレーション発電設備が北米で相次ぎ採用

2002年12月11日


 

川崎重工は、超低NOx触媒燃焼器「ゾノン(XononTM)」※1を搭載したガスタービン・コージェネレーション発電設備を、ニューヨーク州とカリフォルニア州において相次ぎ受注・納入しました。いずれの発電設備も、触媒燃焼器を搭載したガスタービン本体の製作を当社明石工場で行い、発電設備のパッケージングは、米国の販売会社Kawasaki Motors Corp.,U.S.A. のガスタービン・カンパニー(Kawasaki Gas Turbines‐Americas)で行います。

ニューヨーク州で受注した設備は、世界的な出版会社のリーダーズ・ダイジェスト社向けで、レンガ造り3階建ての本社ビル屋上にコージェネレーション発電設備を設置し、ビル内で使用する電気と蒸気を供給します。大学キャンパスのような広大な敷地に建つ本社ビルは、クリントン前大統領の私邸も含めた高級住宅街に囲まれているため、環境負荷の少ない触媒燃焼器「ゾノン」搭載の「GPB15X」が採用されました。なお、この発電設備の納入は、2003年7月の予定です。

今回受注した発電設備は、国内外で約500台の納入実績を持つ当社製1、500kW級ガスタービン「M1A-13」に触媒燃焼器「ゾノン(XononTM)」を搭載したコージェネレーション発電設備「GPB15X」です。「GPB15X」は、北米でNOx排出量に対する規制が最も厳しいカリフォルニア州のNOx排出規制値2.5ppm(O2=15%)をクリアしています。また、従来のアンモニアを使った排出ガスの後処理方式と比べ、維持管理も容易です。

また当社は、ニューヨーク州での受注に先立ち、NOx排出量に対する規制が全米で最も厳しい、カリフォルニア州において、州立ソノマ病院にすでに設置され、病院内で使用する電気と蒸気を供給する当社製コージェネレーション発電設備「GPB15D」から、触媒燃焼器「ゾノン」を搭載した「GPB15X」への改造工事と長期メンテナンス契約を受注しています。なお、この改造工事はすでに完了しており、客先に納入しました。

当社は、自社開発による150~20,000kW級の産業用ガスタービン発電設備を保有しており、1976年以来、非常用発電設備、コージェネレーション発電設備合わせて7、000台以上の納入実績を持っています。国内では、顧客の使用条件に合わせた多様な製品バリエーションや、きめ細かなアフターサービス体制により60%以上の市場シェアを持つトップメーカーとして高い信頼を得ています。また海外でも各地に販売・サービス拠点を設置しており、これまでアジア・欧米を中心に500件を超える納入実績を持っています。

今回の受注により、今後さらに分散型電源の普及が見込め、排出ガスのNOx値規制が年々厳しくなる北米市場において、当社は「超低NOx技術」を特長とする触媒燃焼器塔載型ガスタービン発電設備で、他社との製品差別化を図り、北米市場でのガスタービン発電設備の拡販に努めます。

※1 ゾノン(Xonon)は、米国のキャタリティカ エナジー システム社(Catalytica Energy Systems, Inc.)が開発した触媒燃焼器で、XononTMはキャタリティカエナジー システム社の登録商標です。