太陽光発電システムとガスタービンコージェネレーション設備を国内で初めて組合わせた「ハイブリッド環境調和型エネルギー供給システム」を納入

2001年06月28日

川崎重工は、太陽光発電システム(Photo Voltaic:以下PVシステム)とガスタービンコージェネレーション設備をわが国で初めて組み合わせた「ハイブリッド環境調和型エネルギー供給システム」を(株)世界貿易センタービルディング(東京都港区)へ納入します。

今回当社が納入する「ハイブリッド環境調和型エネルギー供給システム」は、発電効率を高めるため南側受光面が広い北偏心のユニークなピラミッド形状としたPVシステムに、ガスタービンコージェネレーション設備を内部に設置したもので、限られた空間で効率よくエネルギーを供給できる仕様としています。PVシステムのピラミッドには、東西南北の4面に約1400枚の太陽光発電モジュールを敷設し80kWの発電能力を有しています。また都心の建物に設置するPVシステムとしては最大のものとなり、太陽光だけで年間約8万kWの電力量を供給できるとともに、年間約50tの炭酸ガス削減効果を生み出すことができます。なおPVシステムで得た電力は、世界貿易センタービルの照明などに利用するほか、ガスタービンコージェネレーション設備の起動用電源や災害時の非常用電源としても活用できます。

一方PVシステム内部に設置するガスタービンコージェネレーション発電設備は、発電能力1500kW、発生蒸気量4.5t/hの能力を有するもので、東京ガスエンジニアリング(株)から受注したものです。燃料に都市ガス13Aを使用し、燃焼器に予混合希薄燃焼方式を採用することにより排出されるNOx値は84ppm(O2=0%換算)以下としています。発生する蒸気は、主に冷凍機の熱源として世界貿易センタービルの空調に利用されます。

この「ハイブリッド環境調和型エネルギー供給システム」のうちPVシステムは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の産業等用太陽光発電フィールドテスト事業の一環として建設したもので(株)世界貿易センタービルから受注しました。またガスタービンコージェネレーション設備は、同様にNEDOの平成12年度先導的エネルギー使用合理化設備導入モデル事業の助成を受け東京ガスエンジニアリングより受注しました。今回のガスタービンコージェネレーション設備とPVシステムとの組合わせにより、わが国ではじめてのハイブリッド方式の環境調和型エネルギー供給システムが実用化することになります。なお太陽光発電モジュールは、当社が出資している米国エヴァーグリーン社の製品を使用しています。

今後とも当社は、この実績をベースにPVシステム事業をさらに推進していくとともに、風力やバイオマスなど自然エネルギーによる発電分野で積極的な事業展開を図っていきます。なお各設備の主要諸元は以下の通りです。

□PVシステム
発電能力80kW(米国Evergreen Solar社製E-60モジュール)
構 造北偏心ピラミッド型鉄骨構造(39.9m幅×24.0m長×11.3m高)
□ガスタービンコージェネレーション設備
発電能力「カワサキGP1500D」 1500kW 6600V 50Hz
主要機器ガスタービン発電設備、ガス燃料供給装置、排熱ボイラ