カワサキアドバンスドクリーン燃焼(KACC)システムを採用した超低NOxボイラ自家発電設備を納入

2001年04月18日


 川崎重工は、超低NOxボイラを組み込んだ18,000kWの自家発電設備を、日本板紙(株)(本社:東京都千代田区、代表者:高橋貞春社長)の芸防工場(広島県大竹市)に納入しました。

 今回納入した自家発電設備は、主に超低NOxボイラ、蒸気タービン、発電機で構成されており、特に超低NOxボイラは、100t/hの重油焚超低NOxボイラで、当社が独自開発したカワサキアドバンスドクリーン燃焼(KACC:Kawasaki Advanced Clean Conbustion)システムを採用しています。

 KACCシステムは従来の燃焼方式とは異なり、燃焼室を上下2つに分ける独自のボイラ構造と、燃焼室下部で燃料をガス化させ未燃分を低減させる高温還元燃焼により、脱硝装置を設置せずに、環境問題として注目されるNOxの発生量を90ppm以下に抑えるとともに、低ばいじん化も実現しています。

 本ボイラは、日本板紙の生産拠点再編成にともない、板紙の中心品種である段ボールの原紙を生産する板紙用抄紙機(年産約12トン)の動力源として、芸防工場に新設するものです。当社はこれまでにも、日本板紙芸防工場向けに2台のボイラを納入した実績があり、今回の超低NOxボイラの採用も、これらのボイラの稼動実績などが評価されたものです。

 当社は産業用ボイラ分野において、発電用、産業用、空調用などの用途に、発電ボイラ、一般燃料焚ボイラ、パルププラント用ソーダ回収ボイラ、廃熱ボイラなど、顧客ニーズに応える小型から大型までの多くの製品ラインナップを有しており、製紙会社をはじめ石油会社などに多くの納入実績があります。

 さらに当社は、循環型社会の形成に向けてニーズの高まっているRDF、RPF(ゴミ固形化燃料)等による廃棄物発電用ボイラもラインナップに加えており、今後環境問題に対する社会的ニーズに応えていくため、幅広い技術開発を進めるとともに、今回の超低NOxボイラの納入を機に、環境対応型超低NOxボイラを中心とした発電プラントの拡販に努め、パワープラント事業を積極的に展開していきます。