メキシコとマレーシアで複合火力発電所の建設工事を連続受注

2001年01月29日

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三井物産株式会社と川崎重工業株式会社は、メキシコとマレーシアで総額約300億円に上るコンバインドサイクル(複合火力)発電所の建設工事を相次いで受注しました。

メキシコで受注したコンバインドサイクル式コジェネレーション設備は、三井物産と川崎重工が米国エンジニアリング会社(Sargent & Lundy:サージェント アンド ランディ、本社:イリノイ州シカゴ)と組み、米国IPPデベロッパーであるエンロン社(ENRON、本社:テキサス州ヒューストン)より、土木据付工事一括のフルターンキー方式で受注したもので、受注金額は約160億円、2002年10月完成の予定です。なお本件は、米州開発銀行(IDB)によるプロジェクトファイナンスがエンロン社に供与される見込みです。

本設備は、エンロン社がメキシコの民間企業であるビトロ社(ガラス製品メーカー)、イムサ社(製鉄メーカー)、アパスコ社(セメントメーカー)の3社の計49ヶ所の工場に対して売電を行ない、さらにビトロ社に対してはプロセス用の蒸気も供給する設備で、メキシコの工業都市であるモンテレーに建設され、245MWの発電容量とプロセス蒸気を供給します。メキシコでは、好調な経済成長に伴う旺盛な電力需要の伸びを背景に、国営電力庁を売電先としたIPP事業も増加している中、一方で民間の企業をベースとしたこの様な大型コジェネレーション設備の需要も増加しています。

マレーシアで受注したコンバインドサイクル発電所建設工事は、三井物産と川崎重工が、電力会社であるテナガナショナル社(Tenaga National Berhad TNB=マレーシア電力公社)より受注したもので、現地のエンジニアリング及び工事会社であるTNEC(TNB エンジニアリング アンド コンサルタンシィ)と共に、テナガナショナル社がペナン島に持つ既設のグルゴール発電所のガスタービン設備(220MW)をベースに、約330MWのコンバインドサイクル発電所に改造する工事を、土木据付工事一括のフルターンキー方式で受注しました。受注金額は約140億円で、2002年12月の完成予定です。
マレーシアではアジア経済危機後の急速な復興で、2002年にも電力不足が懸念されており、本件は緊急案件として発注されたものです 。

現在、火力発電の分野に於いては、環境にやさしく発電効率の高い天然ガスを用いたコンバインドサイクルが世界的に主流となっており、川崎重工はガスタービンを使用したコンバインドサイクル発電設備に係る技術力が評価され、また三井物産は顧客対応、ファイナンス、ロジスティックなどの市場力を活用し、今回の連続受注に至ったものです。