「LPG燃料供給システム」の設計基本承認を取得

2020年02月05日

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LPG燃料推進LPG運搬船のイメージ

川崎重工は、液化石油ガス(LPG)を舶用燃料として使用可能にする「LPG燃料供給システム」の設計基本承認(Approval in Principle)を日本海事協会(ClassNK)とアメリカ船級協会(ABS)から取得しました。

LPG燃料は、国際海事機関(IMO)による各種排気ガス規制強化が進む中、重油に代わるクリーンな燃料として注目されており、特にLPG運搬船マーケットでは、LPG燃料化への検討が加速しています。LPG燃料を使用することで排気ガス中の二酸化炭素や硫黄酸化物などの排出量が削減できるため、当社製のLPG運搬船は、LPG燃料化によりEEDI規制のフェーズ3をクリアします。

本システムは、当社がLPG運搬船、液化天然ガス(LNG)運搬船やLNG燃料推進船の設計・建造および舶用エンジンの設計・製造で培った知見を活かして開発したもので、複数の船級協会から承認を得た高い信頼性を有します。また、ClassNKおよび関係主管庁の協力のもと、本システムを搭載した国内初のLPG燃料推進LPG運搬船の建造を坂出工場で開始しています。

当社は、LPG燃料推進LPG運搬船をはじめ、LNG燃料推進船や次世代エネルギーとして注目されている液化水素運搬船など、今後も地球環境にやさしい船舶技術を開発・提供し、低炭素社会の実現に貢献していきます。

LPG燃料供給システムの主な特長は以下のとおりです。

(1)
プロパンおよびブタンに対応可能であり、常温で使用可能な加圧液体状態で循環するシステムを採用
(2)
IGCコードに基づいたリスクアセスメントの実施により、確立された高い安全性を有する制御システムを構築
(3)
LPG運搬船のほか、一般商船にも適用可能な機器構成

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設計基本承認を取得したLPG燃料供給システムのイメージ

(エンジンおよび燃料タンクは対象外)

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        設計基本承認(ClassNK)              設計基本承認(ABS

EEDIEnergy Efficiency Design Index)規制 :

1トンの貨物を1マイル運ぶ際に排出されるCO2のグラム数として定義されるエネルギー効率設計指標(EEDI)を用いて新造船の省エネ性能の規制値への適合を強制する国際規制。EEDI規制値は建造契約日と引渡日に応じて段階的に強化される。大型LPG運搬船やLNG運搬船など一部の船種では、2022年以降の建造契約船からフェーズ3(基準値から30%CO2削減)が要求される。

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