太平洋セメントより新型セメント廃熱発電設備を受注 新開発の「VEGA®ボイラ」、国内で初採用

2020年01月21日

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【中国安徽省淮北衆北水泥有限公司に設置されたVEGAボイラ初号機】

川崎重工は、太平洋セメント株式会社より、同社の埼玉工場向けにセメント廃熱発電設備新設工事を受注しました。本設備の発電出力は約8MW(定格7,850kW)で、20229月の稼働を予定しています。

今回受注した設備は、セメント製造の焼成工程において発生する排ガスの熱を回収して発電を行い、工場の省エネルギー化を図るもので、排熱回収ボイラと蒸気タービン発電機設備などで構成されます。当社は設計・機器の供給・据付工事・試運転指導までを担当し、排熱回収ボイラには新開発のVEGA(ベガ)ボイラが国内で初めて採用されます。

業界のリーダーでグローバルに事業を展開する太平洋セメントは、二酸化炭素(CO)の排出量を削減するために、セメント製造工程で発生する熱を用いる廃熱発電設備導入を積極的に行っています。今回の採用は、太平洋セメントによる厳格な審査において、新開発のVEGAボイラの性能および経済性が高く評価されたもので、これにより全工場への廃熱発電設備の設置が完了します。

世界的に地球温暖化防止対策が急がれる中で、セメント排熱発電設備をはじめとする省エネルギー・CO2削減製品に対する需要は、先進国・発展途上国の垣根なく増大すると予想されています。
当社は1982年に初めて太平洋セメント熊谷工場向けにセメント廃熱発電設備を納入して以来、世界のリーディングカンパニーとして国内外に約260プラントの納入実績を持ち、発電出力合計は約280kWCO2削減量は年間約1,200万トンに達しているほか、様々な省エネルギー・CO2削減製品を手掛けてきました。今後も引き続き当社は、省エネルギー・CO2削減に役立つ製品の開発・販売を積極的に展開し、地球温暖化防止に貢献していきます。

VEGAボイラの特長】

1.
コンパクト化による重量削減
従来型と比べ本体重量を約50%、設置面積を約40%削減。
2.
据付工期短縮
伝熱管のモジュールブロック化により、据付工事期間を約25%短縮。
3.
誘引ファンの動力低減
ボイラ内のガス圧力損失が従来型から約75%低減となり、誘引ファンの動力低減により更なる省エネ効果。
4. 
高い除塵性能
伝熱性能向上に寄与する除塵効果の高いハンマリング装置の採用。
代替燃料由来の付着性の高いダストが大量に含まれる排ガスからも効果的かつ長期間に渡り安定的に熱回収が可能。

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