大型LNG燃料ばら積み運搬船を開発

2019年01月28日

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20万トン級LNG燃料ばら積み運搬船(イメージ)

川崎重工は、液化天然ガス(LNG)を燃料とする20万トン級ばら積み運搬船の開発を完了し、
LNG燃料を使用する場合に適合が求められるIGFコード※1および船級規則に基づいた設計基本承認
(AiP:Approval ㏌ Principle)を日本海事協会(ClassNK)から取得しました。


国際海事機関(IMO)による各種排ガス規制強化が進む中、海運業界では一般的に利用されてきた重油
に代わるLNG燃料などのクリーンな燃料の利用に大きな期待と注目が集まっています。
このような環境下において当社は、長年のLNG運搬船の建造で培った技術力をベースに、2016年に
引き渡した世界初のLNG燃料推進の自動車運搬船、LNGバンカリング船の開発で得た豊富なLNG関連
の応用技術、さらに今回の承認取得で得られた最新の国際規則に適合したLNG燃料推進船の技術や知見を
活かすことで、本船の設計や建造を円滑に進めることができるとともに、他の様々な種類の船舶への展開が
可能となります。


今後とも当社は、一般商船全体にLNG燃料推進技術を適用し、世界的に需要の増加が予想されている
LNG燃料推進船の建造に注力していきます。


本船の主な特長は以下のとおりです。



1)
LNG燃料タンクを船尾の居住区域の後方に配置することで、貨物スペースを減少させることなく、
油燃料の従来型船型と同様の大きさの貨物スペースを確保しています。
2)
二元燃料に対応した低速ディーセル機関を採用し、LNG使用時は、排気ガス中の二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、粒子状物質(PM)の排出量を大幅に削減することが可能であり、EEDI規制※2のフェーズ3を達成できます。



□ 20万トン級LNG燃料ばら積み運搬船の主要目     news_190128-2.jpg
  全長 約300m
  幅   50m
  喫水 18.4m
設計基本承認(NK



IGFコード(International Code of Safety For Ships Using Gases or Other low-flash pointfuels):
LNG等の低引火点燃料を使用する船舶の安全に関する国際規制。2017年1月に発効され、日本海事協会鋼
船規則にも織り込まれている。
EEDI(Energy Efficiency Design Index)規制 :
1トンの貨物を1マイル運ぶ際に排出されるCO2のグラム数として定義されるエネルギー効率設計指標(EED
I)を用いて新造船の省エネ性能の規制値への適合を強制する国際規制。EEDI規制値は建造契約日と引渡日に
応じてフェーズ0~3まで段階的に強化される。大型のばら積み運搬船の場合、フェーズ3ではフェーズ0からの30%のCO2削減が要求される。2013年1月に発効されている。



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