川崎汽船より新開発の「最適運航支援システム」を受注

2017年09月26日

 

川崎重工は、川崎汽船株式会社より、船体の安全性を考慮した上で、最小燃費となる航路を提示できる新開発の「最適運航支援システム」を約120隻分受注しました。同社運航管理船の統合船舶運航・性能管理システムとして、2021年までに順次搭載します。

今回の開発では、川崎汽船の協力により、多種多様な船種に対する実船検証と同社の船舶運航に関する知見を基にした検証結果に対する妥当性評価を実施しており、「最適運航支援システム」が選定した航路が、ローリング(船体左右動揺)/ピッチング(前後動揺)および燃料消費量の予想値と就航実績が、高い精度で一致することが評価され、約120隻に本システムが搭載されることになりました。

 

「最適運航支援システム」の特長

 

 
実海域の外乱を受けた状態での船舶の特性(船体抵抗、船体動揺)をモデル化した船体運動モデルと、海気象予報から得られる波高/波方向、風向/風速および海流予報を用いて、目的地までの燃料消費量が最小となる航路を提示します。
 
ローリング/ピッチングを予測し、安全性を考慮した航路を選定します。
 
最適航路計算は、到着日時を指定して定時到着することを条件に最小燃費となる航路計算と、主機出力/回転数を指定することを条件に最小燃費となる到着日を決める航路計算ができ、船舶の種類に応じた最適な航路選択を支援します。
 
④ 
ECA※1、SECA※2を含む特定海域における燃費計算や浅瀬、海賊出現のような特定回避海域を設定することで、それぞれの条件を考慮した航路の提示が可能です。

 

当社は、「最適運航支援システム」を用いた船舶運航における安全運航や経済性向上の実現に向けて、 川崎重工グループが保有する広範な技術のシナジーを活用し、さらなる精度向上を目指すことで、海運産業の発展に貢献していきます。

 

※1:ECA(EmissionControl Area)は、船舶から排出される窒素酸化物、硫黄酸化物、微粒子物質を規制する海域

※2:SECA(SOxEmission Control Area)は、硫黄酸化物の排出を規制する特定の海域 

 

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