ウズベキスタンで中・小型ガスタービン分散型コジェネシステム実証事業を実施 ―電力・熱の安定供給と燃料削減により省エネを目指す―

2017年01月30日

川崎重工は、丸紅ユティリティ・サービス㈱とともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)との間で、ウズベキスタン共和国(以下、ウズベキスタン)において「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業」(以下、実証事業)の事業委託契約を締結しました。
本実証事業は、ウズベキスタンの熱電併給所の発電効率を向上させるとともに、国内に多数存在する熱供給所を熱電併給化させることで喫緊の課題である同国の電力需給事情を改善し、また、電力および熱の安定供給と省エネルギー化の実現を目指すものです。

【実証事業の概要】
ウズベキスタンの電力のほとんどは、全国10ヶ所の火力発電所(うち3ヶ所は熱電併給所)によって賄われていますが、その多くは、旧ソ連時代に建設された老朽施設であるため、性能や運転信頼性が著しく低下しています。また、近年の経済成長等による電力需要増に対応した供給量の確保は喫緊の課題となっています。
こうした状況を踏まえ、ウズベキスタンでは、既存発電施設の近代化や発電効率の向上とともに、国内に大小合わせて2,000ヶ所以上存在する熱供給所を熱電併給所に転換させることにより、発電量の増加や電力供給の分散化を計画していました。
このような背景から、NEDOは2016年10月14日にウズベキスタン政府との間で、中・小型の高効率ガスタービンコージェネレーションシステムの普及に向けた実証事業を実施することに合意し、基本協定書(MOU)を締結しており、続いて当社は丸紅ユティリティ・サービス㈱とともに、本実証事業のウズベキスタン側の事業実施機関である、国営電力会社のウズベクエネルゴ社と協定附属書(ID)を締結しました。

本実証事業において、NEDOは当社と丸紅ユティリティ・サービス㈱を委託先として、ウズベキスタン・フェルガナ市内にあるウズベクエネルゴ社フェルガナ熱電併給所に、発電出力17MW級のガスタービン発電装置「GPB180D」と排熱回収蒸気ボイラで構成する高効率ガスタービンコージェネレーションシステムを導入して熱電併給の高効率化を図るほか、同市内のRK3熱供給所に発電出力7MW級のガスタービン発電装置「GPB80D」と排熱回収温水ボイラで構成する同システムを導入して、熱供給所の熱電併給化を実証します。

これら中・小型の高効率ガスタービンコージェネレーションシステムから供給される電力により、効率の低い既設火力発電所の運転を抑制し、火力発電の主要燃料である天然ガスの消費量を削減するとともに、遠方の発電所からの送電距離短縮による送電ロスの改善に貢献します。

今回の実証事業を通じて得られる成果を活用して、これらのシステムをウズベキスタン国内に広く普及させるだけでなく、モデルケースとして数多くの熱供給所が存在する中央アジア諸国への横展開も検討していく予定です。
 

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