スーパースポーツモデル「Ninja ZX-10R」を海外市場で新発売

2015年10月08日

 C3151008-1.jpg 

川崎重工は、スーパースポーツモデル「Ninja ZX‐10R」をモデルチェンジし、2016年モデルとして同年1月より海外市場で発売します。

「Ninja ZX-10R」は、デビュー以来、世界中のレースシーンで活躍し、サーキットにおける優れた性能が高く評価されています。2015年のスーパーバイク世界選手権では、カワサキレーシングチームのジョナサン・レイ選手が圧倒的な強さでタイトルを獲得しました。2016年モデルは、そのレース活動で得たノウハウを市販モデルにフィードバックし、さらなるサーキット性能向上を果たしています。

水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジン(998cm)は、クランクシャフトの慣性モーメントを低減することで、コーナー立ち上がりの加速力を強化し、シャープなハンドリングも実現しています。また、電子制御スロットルバルブを採用することで、燃焼効率をさらに向上させ、2016年から適用される新排出ガス規制「ユーロ4」もクリアするなど、公道走行にも配慮しています。

メインフレームはディメンション(車体の各部寸法)の見直しにより、フロントタイヤの接地感を向上させるとともにコーナリング性能を向上。新採用のバランスフリーフロントフォークは、スーパーバイク選手権参戦マシンで使用されているフォークと同構造のハイスペックな仕様としています。また、フロントフェアリングを大型化し、ウインドプロテクション性能を高めることでコーナーエントリー時の操作性を向上させました。

カワサキの次世代型電子制御技術として、最新式の小型慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)とカワサキ独自のダイナミックモデリングプログラムを初採用しました。これにより、走行時の車体の状態を緻密に演算し、より精細に車体姿勢をコントロールすることが可能です。

 ※市販車をベースとしたマシンで競われる世界最高峰のロードレース。

 

1.主な特長

□ エンジン関係

 

 

水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジン(998cm)は、ハイパワーかつコントロール性に優れた出力特性としています。サーキット走行におけるコーナー立ち上がりにおいて強力な加速力を得るために、特に低中速回転域でのパワーを向上させました。

 

 

クランクシャフトの慣性モーメントを従来モデルから20%低減することで、鋭い回転上昇と軽快なハンドリングを実現しています。

 

 

電子制御スロットルバルブを採用し、燃料と空気の双方をECU(Electronic Control Unit=電子制御装置)で完全にコントロールしています。常に理想的な空燃比とすることで、スムーズなエンジンレスポンスと高出力を実現します。排気ガスのクリーン化にも貢献し、2016年から適用される新排出ガス規制「ユーロ4」にも対応しています。

 

 

エキゾーストパイプには耐熱チタン材を、サイレンサーにはチタン材を採用しました。性能向上、耐久性向上、軽量化、マスの集中化に大きな役割を果たしています。 

 

□ 車体関係

 

 

メインフレームはディメンション(車体の各部寸法)を見直し、ステアリングヘッドパイプ位置をライダー側に7.5mm近づけることで前輪への重量配分を増やしました。フロントの接地感がつかみやすく、ブレーキングからコーナーへの進入、そして切り返しでの運動性能を向上させています。

 

 

新採用のバランスフリーフロントフォークはスーパーバイク選手権参戦マシンで使用されているフォークと同じ構造で、市販車のレベルを超えたハイスペックな仕様としています。

 

 

ブレンボ製ブレーキシステムを採用。市販車用としては同社最高グレードのM50アルミモノブロックキャリパー、大径化したφ330mmディスク、ラジアルポンプマスターシリンダーの組み合わせにより、扱いやすいブレーキフィールを実現しました。

 

 

新設計のアルミスイングアームを採用しました。走行時にスイングアーム各部にかかる荷重を、カワサキ独自のダイナミックモデリングプログラムにより算出し、理想的な形状のスイングアームを設計。より俊敏なハンドリングを実現しています。

 

 

大型化したフロントフェアリングは、従来モデルよりも空気抵抗を低減させ、ウインドプロテクション性能を高めることで、コーナーエントリー時の操作性を向上させました。

 

□ 装備関係

 

 

最新の小型IMUとカワサキ独自のダイナミックモデリングプログラムによって、走行車体における6自由度(3軸の角度と加速度)の数値を緻密に演算。最先端の電子制御システムにより、精細に車体姿勢をコントロールすることが可能となりました。

 

 

タイヤのトラクション(駆動力)を制御する「S‐KTRC(Sport‐Kawasaki Traction Control)」、スムーズな発進を可能とする「KLCM(Kawasaki Launch Control Mode)」、スポーツ走行時の減速をアシストする「KIBS(KawasakiIntelligent anti‐lock Brake System)」、エンジンブレーキを滑らかにする「KEBC(Kawasaki Engine Brake Control)」、シフト操作をサポートする「KQS(Kawasaki Quick Shifter)」、出力特性を選択できる「PMS(Power Mode Selection)」、走行状態により減衰力を最適化するオーリンズ製電子制御ステアリングダンパーなど、多彩な先進テクノロジーが導入されています。