マレーシア向けFPSO用天然ガス圧縮機2基を受注

2015年05月13日

川崎重工は、マレーシアのTHヘビーエンジニアリング社(TH Heavy Engineering Berhad)より、浮体式生産貯蔵積出設備(FPSO:Floating Production, Storage and Offloading system)に搭載されるモーター駆動天然ガス圧縮機2基を受注しました。本圧縮機は、JX日鉱日石マレーシア石油開発株式会社が開発を進めるマレーシアのラヤンオイル・ガス田(サラワク州ビンツル沖合)に設置予定のFPSOに搭載され、当社はFPSOを建造するTHヘビーエンジニアリング社に圧縮機を供給します。

FPSOは、洋上で採掘した石油や天然ガスから不純物等を取り除くなどの処理を施して貯蔵し、直接輸送タンカー等への積出を行う浮体式設備です。従来の固定式プラットフォームと比べて水深が制約とならず、設置や移動、再利用が容易です。
当社が供給するモーター駆動圧縮機は、採掘過程で石油から分離された、天然ガスを含む随伴ガスをFPSO上で昇圧し、洋上に設置された他のプラットフォームに海底パイプラインで圧送するために用いられます。

 ラヤンオイル・ガス田から産出する天然ガスは、全長約200キロメートルの海底パイプライン経由で、JX日鉱日石エネルギー株式会社が出資するマレーシアLNGティガ社の液化プラントに輸送され、液化天然ガス(LNG)として販売される予定です。また、コンデンセート(※)と原油は、FPSOから洋上出荷される予定です。

当社は、2000年にJX日鉱日石マレーシア石油開発向け洋上プラットフォーム用ガスタービン駆動圧縮機、2012年にベトナム向けFPSO用モーター駆動天然ガス圧縮機を納入しており、今回の受注は当社の圧縮機の運転実績や信頼性が高く評価されたものです。

当社は、これまでに培った経験・社内技術を結集し、今後も石油・ガス開発に関連する機器の拡販に取り組み、エネルギー・環境ビジネスを積極的に展開していきます。

 

※地下では気体として存在しているが、ガス田から採掘する際に液化する原油の一種。