当社初となる大型オフショア作業船の造船契約を締結

2014年01月28日

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【 大型オフショア作業船(イメージ図) 】

 

川崎重工は、ノルウェーのオフショア作業船の大手船社であるIsland Offshore Shipholding LP 〔アイランド オフショア シップホールディング エルピー(以下、アイランドオフショア社)〕との間で、当社初となる大型オフショア作業船1隻の造船契約を締結しました。

本船は、Rolls Royce Marine AS(以下、ロールスロイスマリーン社)とアイランドオフショア社が同分野における10年にわたる経験に基づき基本設計した「UT777型」で、トップサイド(ミッションのための主要機器)はNational Oilwell Varco Norway AS(ナショナル オイルウェル バーコ ノルウェー社)製を採用し、以下の特長を有しています。

 

 

最先端の技術分野であるオフショア作業船によるTophole Drilling (トップホールドリリング)※1を主要ミッションとする一方、アイランドオフショア社の主力事業の一つであるLight Well Intervention (ライト・ウェル・インターベンション)※2への対応も視野に入れた船型

 

 

低温海域での操業を可能とする掘削機器を船体内に収納したEnclosed Module Handling Tower (エンクローズド・モジュール・ハンドリング・タワー)を採用

 

 

厳しい海象条件での操業を可能とする位置保持システムと7基のスラスタを装備(従来のオフショア作業船を超える冗長性を確保)

 

 

オフショア作業船として最も厳しい静粛性と低振動の船級基準を採用

 

 

船主が保有する類似船(全長116m)から大幅に大型化

当社は、今後、本船建造に必要な設計展開をロールスロイスマリーン社と共同で進め、当社神戸工場で建造工事を行い、2017年3月末の引渡を予定しています。

当社は、本船およびブラジルでの合弁会社から受注したドリルシップ船体部の建造によりオフショア分野での実績を積み重ね、今後とも堅調な需要の伸びが期待できるオフショア分野において、各種オフショア船・海洋構造物の受注・建造に取り組んでいきます。

 

本船の主要目は以下の通りです。 

<主要目>

  全 長 約169m
  型 幅 28.0m
  型深さ 11.7m
  位置保持能力 DP3
  耐氷船階級 ICE 1B
  定 員 91名

 

 

※1

ドリルシップのように海底から油層まで掘削するのではなく、原油・ガスの噴出がないように海底から1,000m程度までを掘削する。従来は、トップホールドリリングの作業にも高価なドリルシップやセミサブリグが使用されてきたが、ドリルシップ/セミサブリグより安価なTophole Drilling Vessel (トップホールドリリング船)を使うことによる作業コスト低減が期待されている。

 

※2

従来ドリルシップ・セミサブリグを使って行われてきた油井管のメンテナンス作業等を、ライザーと呼ばれる高価な特殊機器なしに低コストで行なう技術で、アイランドオフショア社が当該技術のパイオニア。

     

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【 トップホールドリリング説明図 】