環境規制対応の舶用ガスエンジンの開発に着手

2012年05月28日

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川崎重工は、国際海事機関(IMO)の3次規制に対応する舶用ガスエンジンの開発に着手しました。ガス専焼で大出力(2MW以上)の主機用となる舶用ガスエンジンの開発は、国内では初めてとなります。

国際航海に従事する船舶は2016年1月から実施される3次規制により、特定規制海域での窒素酸化物(NOx)排出量を1次規制比で80%削減することが義務づけられます。また、二酸化炭素(CO)や硫黄酸化物(SOx)についても段階的に排出規制が強化されることとなっており、各種環境規制を容易に満たす新たな主機に対する期待が高まっているため、舶用ガスエンジンの開発に取り組むこととしました。

当社は今回の舶用ガスエンジンの開発に先駆けて、発電用ガスエンジンを自社開発し、中小規模発電所や自家発電設備などの分散型発電市場に投入しています。
当社の発電用ガスエンジンは、世界最高の発電効率49.0%を実現するとともにNOx排出量も200ppm以下(O2=0%換算)とディーゼルエンジンの10%程度であるため、脱硝装置などの特別な装置を用いることなく3次規制を満足することが可能です。また、ガスエンジンは天然ガスを燃料とするため、C重油を燃料とするディーゼルエンジンと比べてCO排出量が少なく、SOxも殆ど排出することはありません。

舶用ガスエンジンの開発では、経済性・環境性に優れた当社の発電用ガスエンジンの技術をベースに、舶用ならではの負荷変動により生じるノッキングへの対応技術の開発や、エンジンの出力でプロペラを直接駆動させる直結推進方式と、エンジンの出力で推進モータを回しプロペラを駆動させる間接推進(電気推進)方式の両方への適用技術の開発を行います。
2013年度中に約2.5MW(6シリンダ)の舶用ガスエンジンの実証機を完成させ、船級承認を取得した上で、2~8MW(5~18シリンダ)の出力レンジから順次、市場投入する予定です。

当社は、船舶分野における地球環境の保全に対する需要に応えるため、今後とも舶用ガスエンジンなど様々な技術開発に積極的に取り組んでいきます。