台湾向け炉頂圧回収発電設備を納入

2012年01月10日

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川崎重工は、シーメンス・バイ・メタルズ・テクノロジーズ(Siemens VAI Metals Technologies Ltd.)に対して、台湾の大手製鉄会社である中龍鋼鐵股份有限公司(Dragon Steel Corporation)の第2高炉向けに炉頂圧回収発電設備(発電能力14,000kW)を納入しました。

炉頂圧回収発電設備とは、製鉄所の高炉から発生する高炉ガスの圧力を、タービンによって電気エネルギーとして回収する設備です。本設備は、高炉ガスの有効利用が可能で省エネ効果が高いことに加え、高炉ガスをタービンで回収する際の騒音低減や除塵などの機能も備えており、環境対策にも効果があることから、日本国内の大型高炉設備には100%設置されています。

当社の炉頂圧回収発電設備の特長は、高炉炉頂圧の制御を従来の調速弁方式ではなく、タービンの可変静翼で行うことにあります。このタービンの可変静翼による制御方式は、高炉ガスの流入量を弁で制御するのではなく、高炉ガスの全量をタービンに流し込み、タービンの静翼の角度を自由に変えることにより、タービン内を通過するガスの量および圧力が変動する状況においても、エネルギーロスが少ない高効率で低騒音の発電を可能とするものです。

当社は炉頂圧回収発電設備のトップメーカーとして、すでに国内向け26基、海外向け20基の合計46基の納入実績を有しています。また、台湾向けには、5基の炉頂圧回収発電設備を納入しており、その内1台は中龍鋼鐵股份有限公司製鉄所の第1高炉(発電能力14,000kW)で現在稼動しています。今回の受注は、当社の豊富な納入実績と技術力が客先から高く評価されたものです。

今後も当社は、炉頂圧回収発電設備をはじめとするエネルギーの有効利用と環境負荷低減に寄与する製品の販売に注力していきます。