台湾向け蒸気タービン発電設備を受注

2011年06月20日

川崎重工は、新日鉄エンジニアリング株式会社から、台湾の大手製鉄会社である中龍鋼鐵股份有限公司(Dragon Steel Corporation)向けの蒸気タービン発電設備2基を受注しました。

今回受注した発電設備は、コークス乾式消火設備(CDQ(※1))において、コークス炉にて乾留(※2)された赤熱コークスを不活性ガスにて消火し、その顕熱(※3)をボイラーで蒸気として回収し、発電に利用する設備です。

中龍鋼鐵股份有限公司は、台湾最大の製鉄会社である中国鋼鉄(China Steel Corporation)の中核グループ会社で、高炉を2基(1基目は稼動中、2基目は建設中)有しています。同社では製鉄の原料であるコークスの生産も行なっており、今回新たにCDQ設備を2基導入することで、省エネルギー化とCO削減を実現します。

当社は1956年から産業用蒸気タービンの製作を開始し、現在までに約340台を納入しており、CDQ用の蒸気タービンとしては13台の実績があります。今回の受注は、これらの実績に加えて、当社製蒸気タービンの優れた性能やライフサイクルコスト、当社への高い信頼が総合的に評価されたものです。

当社は今後とも環境負荷低減に貢献する高効率発電設備の拡販に取り組み、エネルギー・環境ビジネスを積極的に展開していきます。

≪CDQ用蒸気タービン設備概要≫

1.
納入先:中龍鋼鐵股份有限公司(Dragon Steel Corporation)
2.
蒸気タービン型式:抽気復水タービン
3.
設備構成:蒸気タービン設備、発電機設備、電気・計装設備、復水設備

※1 乾式消火設備(Coke Dry Quencher)

コークス炉で乾留された赤熱コークスを、冷却塔内を流れる不活性ガスによって消火する設備。密閉した冷却塔内で消火されるため、従来の湿式消火により水蒸気として放散していた熱量を回収して発電が可能となる。

※2 石炭の乾留

石炭を高温で蒸し焼きにして、コークスと揮発性ガスとに分解すること。

※3 顕熱

物質の状態を変えずに、温度を変化させるために費やされる熱量。