大深度石油掘削船(ドリルシップ)用「レックスペラ」6基を納入

2010年11月24日

川崎重工は、韓国の三星重工に対して、ブラジル国営石油会社・ペトロブラス社(PETROLEO BRASILEIRO S.A.)が用船する大深度石油掘削船(ドリルシップ)用に、旋回式スラスタ「レックスペラ」6基を納入しました。

「レックスペラ」は、水平方向360度の任意の方向に推進力を得られる全旋回式推進機で、推進機・舵・サイドスラスタの機能を備えており、その優れた操船性から主にタグボートやサプライボートに採用されています。

今回納入した「レックスペラ」は、深海での石油・天然ガス掘削に用いられるドリルシップに搭載されるもので、当社の製作実績としては過去最大となるKST-320LF/AU型です。掘削時に船体を定位置に保持する必要があるドリルシップに対して、1隻当たり6基の「レックスペラ」が常時連動して使用されることにより、高い定点保持能力を提供することができます。
また、当社として初めて「水中交換式」を採用しており、洋上で推進機を交換できることから、整備作業のためにドック入りする必要がなく、非稼動期間の短縮に寄与しています。今回の納入分は、2008年12月に受注したドリルシップ3隻分の「レックスペラ」(計18基)のうちの第1隻分であり、残りの2隻分は2011年に順次引き渡す予定です。

当社は1983年の初号機納入以来、500基を超える「レックスペラ」を供給しており、豊富な実績と技術力は高く評価されています。世界的なエネルギー需要の増大に伴って海洋資源開発が活発化する中、当社は今後ともシャトルタンカーやドリルシップなど石油・天然ガス分野で用いられる大型船向け「レックスペラ」の拡販に注力し、舶用推進機ビジネスの拡充を図ります。

□今回納入した「レックスペラ」の概要

① 製品名

川崎レックスペラ

② 型式

KST-320LF/AU

③ 駆動動力

4,500kW(当社最大)

④ プロペラ径

3.8m

※「レックスペラ」:川崎重工の登録商標です。